ハイイールド債ファンドは、通常の投資信託では信じられないような利回りが出るため、投資家の間でかなり人気があります。
しかし、高利回りということは、同時にリスクが高いことも意味します。万が一損失が出た場合には、大変なことになりますね。
そこでこの記事では、ハイイールド債ファンドの基本から始めり、そのリスクについて解説していきます。ハイイールド債ファンドのリスクをしっかりと理解し、堅実に投資を行いましょう。
ハイイールド債ファンドの基本
高利回りでもリスクが高い
世界的に見て低金利が続く昨今、ハイイールド債ファンドを始めとした高利回りな金融商品に、投資家の注目が集まっています。
ハイイールド債ファンドの利回りはおよそ8%〜を期待できますので、かなり魅力的といえます。預金金利が0.1%ほどの中、これほどの利回りはかなり嬉しいところです。
しかし、利回りが高いということは、リスクも高いということ。投資信託は銀行預金のように元本が保証されていませんから、もしかしたら思わぬ損失が出てしまうこともあります。
ハイイールド債ファンドに投資する際には、リスクをしっかりと理解した上で投資を行いましょう。
どうして高利回りなの?
そもそもハイイールド債ファンドが投資するハイイールド債とは何なのでしょうか??
ハイイールド債とは、その名の通り、ハイ(高い)イールド(利回り)の債券のことをいいます。
ハイイールド債は、信用力が低い国や企業が発行する債券です。信用力が低いため、金利を高めに設定しないと、投資家の資金が集まらないのです。そのため、ハイイールド債の金利は通常よりも高くなっています。
ただし、そもそも発行体の信用力が低いため、利息が支払われなかったり、元金が戻ってこない可能性もあります。これをデフォルト(債務不履行)リスクといいます。デフォルトすると、債券の価値が大きく損なわれるため、損失を抱えることになります。
ハイイールド債に投資するハイイールド債ファンドは、ハイリスク・ハイリターンな商品なのです。
ファンド形式のためリスクが分散される
たしかにハイイールド債ファンドはリスクが高いですが、それでも個人でハイイールド債に直接投資するよりも、だいぶリスクは低く抑えられています。
通常、一つのハイイールド債ファンドで、数百以上の銘柄に分散投資しています。仮に一つの銘柄がデフォルトしたとしても、ファンド全体への影響はわずかなのです。
このようにファンド形式でハイイールド債に投資することで、リスクをうまく分散することができているのです。
ハイイールド債ファンドに投資する際の注意点
値動きは株式の動きに近い
国債などの債券は、株式市場の動きとは正反対に動くのが普通です。株式市場が下落ムードの時には、リスクオフのため、安全な債券へ資金が流入し、債券価格が上昇するのです。
しかし、ハイイールド債はリスク商品であるため、株式市場が下落する場面では、一緒に価格が下落していきます。
そういう意味では、ハイイールド債ファンドを考えるときには、債券ファンドではなく株式ファンドと考えるといいでしょう。
投資割合は低めに抑える
ハイイールド債ファンドの値動きはかなり激しく、価格の変動要因も非常に多くあります。投資先としては、かなり見極めが難しい部類に入ります。そのため、投資割合としては、低めに抑えておくのが無難でしょう。
むしろ、債券ファンドや株式ファンドを中心に投資し、一部の資金を使ってハイイールド債ファンドに投資しておくのがいいでしょう。
毎月分配型や通貨選択型などは避ける
最近では、ハイイールド債ファンドでも、毎月分配型や通貨選択型のファンドが多く存在します。しかし、こういったファンドに投資するのは、避けた方がいいでしょう。
例えば、毎月分配型ファンドの場合、分配金が支払われる度に基準価額が下落するため、複利の効果が薄れてしまいます。であるならば、分配金の出ないファンドに投資した方が、長期的に見て高い利回りが期待できます。
通貨選択型ファンドは、その仕組みが非常に複雑なため、どういった要因で価格が変動するのか予測がかなり難しくなっています。自分で仕組みが理解できない金融商品には、投資しないのが無難です。
ハイイールド債ファンドのまとめ
ハイイールド債ファンドは高利回りが魅力的な商品です。
価格変動が大きいハイイールド債ファンドへは、基準価額が大きく下落したときに購入し、投資割合を低めに抑えておくのがいいかもしれません。
ハイイールド債ファンドの基本をしっかりと理解し、堅実に投資を行いましょう!
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