不動産業者のガヤルド(東京・千代田)が倒産しました。
ガヤルドはサブリース(家賃保証)を前面に押し出したアパート投資で投資家を言葉巧みに誘導し、アパートに投資させていました。
ところが、ガヤルドはサブリース契約を一方的に解除し、突如として倒産しました。
中には建設途中で工事が止まってしまったアパートもあり、投資家は悲惨な状況に追いやられています。
この記事では、一連のガヤルド事件の真相に迫っていきます。
ガヤルドが不動産の不正で破産した理由
ガヤルド事件の概要
ガヤルドは、2003年6月に設立された不動産会社で、「テラス」というブランでアパート向けのサブリースを展開していました。
具体的な仕組みとしては、投資家側が売主であるガヤルドと土地の売買契約を結び、その後建築会社と建築工事の契約を結び新築アパートを建築するパターンが多かったようです。
ただ、今回問題となったのが、新築アパートが完成する前に一方的にサブリースの解約が行われ、建物が完成していないにもかかわらず多額の借金だけが投資家に残されたことです。
投資家には、建設途中のアパートと毎月数十万円ものローン返済義務だけが残った形です。
今回の被害者数は50人以上、被害総額は50億円規模にものぼります。
一方、ガヤルドはすでに宅建業の廃業届を提出し、以降営業を停止している状況で、実質的な「夜逃げ」状態にあります。
建築代金を持ち逃げ
今回のガヤルドの事件では、いずれもスルガ銀行が融資を実行。
アパートが完成していないにも関わらずスルガ銀行からガヤルドへ建物代金の支払いが行われ、当のガヤルドはその建築代金を建築業者に支払っていませんでした。
そのため、アパートの建築が途中でストップしたり、悪質なケースでは更地のままの場合もあったようです。
このように、ガヤルドは多額の建築代金を持ち逃げしたのです。
高額な土地値や図面とは違う物件の建築も
ガヤルドの関与した物件では、例えば本来の評価額よりも不当に水増しされた土地値で取引が行われたり、図面とは違う建物が建築されていたケースもありました。
また、契約締結時に宅地建物取引士が同席していなかった例も確認されています。
以上のことから分かるのが、詐欺に近い行為や不当な契約が横行していたことが伺えます。
スルガ銀行が一枚噛んでいる?
ガヤルドの一連の問題では、融資を実行したスルガ銀行にも様々な疑惑があります。
一つ目が、未だ完成する気配のないアパートに対して融資金が全額支払われた問題です。
スルガ銀行では、建物が完成したことを確認しない限り融資金は支払われないことになっています。そして。万が一これを破ると、契約が無効になります。
ところが、今回の事件では、完成していない物件に対して融資金が支払われました。
また、本来不動産投資の名目で融資したはずが、「ペット支払済資金」という名目で融資が行われていたことも確認されています。
つまり、今回のガヤルドの事件は、単にガヤルドだけの問題ではなく、融資を実行したスルガ銀行側にも責任があるものと思われます。
ガヤルドの不動産問題の今後について
弁護士を通じて集団訴訟
一連のガヤルド事件の被害者は、不動産業者ガヤルドに対して損害賠償を求める訴訟を拡大していく予定です。
今後、シェアハウス問題でも話題となったスマートデイズの弁護団とも連携して訴えを行っていく予定です。
ガヤルドの不動産倒産問題のまとめ
ガヤルドの問題は、シェアハウス問題で話題となったスマートデイズと似ています。
今回の事件でも、スルガ銀行と不動産業者が不正に手を組んだと推察されます。
投資する際には、契約書をしっかりと読み込んだり現地調査を行ない、備えをすることが重要となっています。
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