投資信託と聞くと、「リスクが高そう」と思う方もいるのではないでしょうか?
確かにリスクという意味では、投資信託はリスクがあると言えます。しかし、リスクをしっかりと理解し、そのリスクを上手くコントロールできれば、高いリターンを狙いに行くことが可能なんです!
今回は、そんな投資信託の「リスク」について解説していきたいと思います。
投資信託におけるリスクの基礎知識
実は多くの人が「リスク」という単語の意味を取り違えていることが多くあるようです。
まずは、リスクという言葉の意味についてしっかりと押さえましょう!
投資でのリスクの意味は「危険性」ではない
おそらく多くの人がリスクの意味を、そのまま「危険性」だと考えていると思います。
たしかに日常生活では「危険性」という意味で用いて問題ないのですが、実は投資の世界では危険性という意味では使用しないのです。
投資におけるリスクは「値動きの振れ幅の大きさ」
実は、投資の世界でのリスクは「値動きの振れ幅の大きさ」を表すのです。
例えば投資信託の「基準価額」を例に挙げると、基準価額が上がったり下がったりしたときのその「価格の変化した幅」がリスクということになります。
例えば、投資信託Aの価格が昨日まで100円だったとして、明日1,000円になったとすると、100円~1000円の振れ幅がリスクということになります。
「リスクが大きい」というと「危ない」イメージがあると思いますが、実は危ない分、「儲かる可能性が高い」という特徴を持っています。
例えば、価格の振れ幅が100円~1,000円の投資信託B、100円~10,000円の投資信託Cがあるとします。
リスクが高いのは、価格の振れ幅が大きい投資信託Cになります。
ですが、リスクが高い投資信託Cですが、儲かったときには「10,000円」も儲けを得ることができるんです。
一方の投資信託Bでは、儲かってもせいぜい「1,000円」です。
つまり、「リスクが大きい」ということは、「儲かる可能性が高い」ということも意味するのです。
投資信託におけるリスクの種類
投資信託のリスクには様々な要因があります。
ここでは、そんな投資信託のリスク要因について、代表的なものを解説していきます。
価格変動リスク
投資信託が投資している株式や債券の価格が変動するリスクのことです。
株価や債券価格などは、国内外の政治、経済、企業業績などの影響を受けます。
つまり、株式を組み入れた投資信託に投資した場合は、株価の変動の影響を受けやすくなるということです。
金利変動リスク
金利変動リスクとは、金利の上昇や下落により債券の価格が影響を受けるリスクです。
金利が上昇すると債券の価格は下落し、金利が下落すると債券の価格は上昇していきます。
為替変動リスク
為替変動リスクとは、為替レートが変動することで、基準価額が影響を受けるリスクです。外国株式や外国債券などの外国資産に投資する投資信託に見られるリスクです。
一般的に円高の場合は基準価額が下落する傾向があります。
なお、為替ヘッジ型投資信託などは、為替変動リスクを回避した投資信託となります。
リスクをコントロールする
ここまでリスクの基本的な内容とその種類について見ていきました。
ここからは、そのリスクをいかにしてコントロールするか解説していきたいと思います。
投資資産を分散する
様々な投資のリスクを軽減するには、投資する資産の種類を分散する方法があります。
資金を一つの投資信託に集中せず、値動きの異なる複数の投資信託に分散できれば、それだけ価格変動のリスクを相殺し、安定性が高まります。
例えば、全資産を株式の投資信託に投資すると、株価の影響をもろに受けることになり、リスクが高まります。
一方、株式の投資信託と債券の投資信託を半々で所有すると、株式と債券の価格はほぼ反対の値動きをしますので、お互いに価格変動を相殺でき、リスクを減らすことができます。
「全ての卵を一つのカゴに入れるな」ということわざがあります。これは沢山の卵を運ぶときに、一つのカゴに全て入れて転んだとしたら、全ての卵が使い物にならなくなるということわざです。
投資においても、一つの投資対象に全資金を注ぎ込むと、最悪の場合「ゼロ」になってしまうことがあります。そのため、複数の投資対象に分散して投資することが大切なのです。
個人投資で考えられるのが、日本株、外国債券、外国株式の3つの投資信託に分散投資したり、最初からあらゆる資産に分散投資されている投資信託を購入することが挙げられます。
長期で保有する
リスクを抑える際に使えるのが「長期で保有する」ということです。
市場は短期間では一時的な要因で大きく変動することがありますが、長期間で見るとその変動幅は小さくなる傾向があります。
これを利用して、1年や2年などの短い期間で投資するのではなく、10年や20年などの長い期間で投資をすることで、リスクを減らすことができます。
例えば、リーマンショックが起きた際には、一時的に市場が大きく暴落しました。
しかし、何十年という長い期間で考えると、下落した株価はまた一定の水準まで戻ってくるものなのです。
このように、市場というものは短期では変動を繰り返しますが、長期ではある一定水準の変動幅に固定されるのです。
個人で投資する場合には、例えば30年後の退職後の資金のために投資信託を購入したりすることで、その投資期間を長く考えることができます。
時間の分散
投資信託を購入する際、一度に全額を充てるのではなく、何回かに分けて購入することでそのリスクを減らすことができます。
何回かに分けて投資信託を購入する際に、毎月一定額を積み立てる「積立投資」というものが有効です。
この投資信託の積立投資を利用することで、「ドルコスト平均法」の恩恵を受けることができるのです。
ドルコスト平均法とは、常に「一定の金額」で購入をすることで、購入単価を引き下げる投資手法です。
投資信託の基準価額が「高い」ときは「少しだけ」購入し、投資信託の基準価額が「安い」ときは「より多く」購入することになります。
その結果、投資信託の購入単価は引き下げられ、一括で投資信託を購入した場合よりも安く投資信託を購入できることになります。
このように、投資信託を購入するタイミングを分散することで、そのリスクを分散することができます。
投資信託におけるリスクのまとめ
以上、投資信託におけるリスクについて見てきました。
投資には必ずリスクがつきものですので。いかにそのリスクと付き合っていくかが重要になります。
①資産を分散し、②長期で保有し、③時間を分散することで、個人でも簡単にリスクを軽減することができます。
そういう意味では、複数の投資信託で毎月積立投資をするのが、もっともリスクが低い方法といえるかもしれません。
是非、あなたにとって最高の投資を見つけてみてください!