フジクラといえば、スマートフォン向けのプリント基板や光ファイバーケーブルを製造する企業として注目されている優良メーカーです。
ですが、そんな優良企業フジクラにて不祥事が発覚しました。それも、その不祥事は30年以上も前から行われていたのです。
フジクラで行われた不祥事の内容を、詳細に解説していきます。
(最終更新日:2019年8月10日)
フジクラってどんな会社?
もしかしたら、フジクラという会社の名前を初めて聞く人も多いかもしれません。
まずはフジクラという会社の基本から押さえましょう。
老舗電線メーカー
フジクラは、1910年に創業した老舗の電線メーカで、電線や通信ケーブル、ワイヤーハーネスに強みを持っています。
特に光ファイバーケーブルでは世界の3本指に入る存在です。また、高層エレベータケーブルでは世界ナンバーワンのシェアを誇っています。
まさに日本が世界に誇る優良メーカーです。
成長が期待される優良企業
老舗メーカーであるフジクラは、実は「アップル銘柄」や「5G銘柄」として大きく注目されています。
電線大手のフジクラは成長期待を込めたいくつかのキーワードが枕ことばとして使われる。スマートフォン(スマホ)に使うフレキシブルプリント基板(FPC)に関連する「アップル銘柄」、光ファイバーの増産で次世代通信規格とともに成長する「5G銘柄」、そしてデータセンター増設の恩恵を受ける「アマゾン銘柄」。
参照:日本経済新聞
アップル銘柄という意味では、フジクラの製造するスマホ向けの基盤がiPhoneに採用されているといわれており、投資家の間では非常に人気を博しています。
また、次世代通信技術である5Gの分野では、フジクラが強みを持つ光ファイバーケーブルが脚光を浴びています。
他にもアマゾンを顧客に持つアメリカのネットアイジー社を買収したりと、フジクラの躍進は止まることを知りません。
そんな優良企業であるフジクラですが、、今回不祥事が発覚しました。
参照:フジクラ
フジクラの不祥事の内容とは?
電線や通信用ケーブルで品質不正
フジクラは8月31日、電線や通信ケーブルなどの73品目において、検査数値を改ざんするなどの不正が行われていたと発表しました。
不正が行われていたのは子会社6社を含む10拠点で、1987年から不正が行われていたとのことです。
顧客と取り決めた検査を一部省略したり、データを故意に改ざんしていたことが明らかになっています。中には試験書類に虚偽の検査結果が記入されていたケースもあったといいます。
不正のあった製品の売り上げは全体の5%程度と見られ、数十億円規模の特別損失が発生する恐れがあります。
製品の供給先は66社
不正のあった製品の供給先は実に66社に上ります。
ただ、今のところ、安全性に関わる問題は見つかっていません。
しかし、フジクラ製のケーブルが海上自衛隊の艦艇で使われていたり、同社製の電線が電力会社の送電設備や原子力発電所などに使われていたことが分かっています。
電線大手フジクラの品質不正問題で、九州電力は5日、保有する2カ所の原子力発電所の光ケーブルで不正製品が使われていたことを明らかにした。九電は性能上の不具合は確認されておらず、安全上の問題もないとしている。原子力規制委員会に報告した。
フジクラとグループ会社の不正製品の光ケーブルが使われていた。玄海原発(佐賀県玄海町)では作業員の被曝(ひばく)線量を管理する設備などで、川内原発(鹿児島県薩摩川内市)では防災ネットワーク設備などで使用が確認された。
参照:日本経済新聞
フジクラの不祥事は国防や社会インフラに関わる問題であり、企業責任が大きく問われることになりそうです。
外部弁護団による調査を実施
今回の不祥事を受け、フジクラは外部の弁護士による調査を行い、原因究明と再発防止策の公表を行う予定とのことです。
フジクラの不祥事問題のまとめ
フジクラの不祥事問題は、国防や社会インフラに影響を及ぼす大問題です。
一刻も早い原因究明と再発防止策の実施が望まれます。
2019年3月期の業績への影響は明らかになっていませんが、不祥事によってフジクラが大打撃を受けることは間違いないでしょう。
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