2016年4月から「ジュニアNISA」がスタートしました。
ジュニアNISAは子供を対象としたNISA(少額投資非課税制度)で、子供の将来のために効率的に資産運用することができます。
この記事では、ジュニアNISAの基礎知識をまとめましたので、投資を始める際の参考にしてください。
(この記事は、過去に書かれた記事を2018年7月11日に加筆修正したものです。)
ジュニアNISAの基本
そもそもジュニアNISAとはどんな制度なのでしょうか?
こちらで詳しく解説していきます。
ジュニアNISAとは
ジュニアNISAとは、子供を対象とした少額投資非課税制度(NISA)です。
日本在住の0歳から19歳の未成年であれば申請可能で、成人版のNISAと同じように、株や投資信託の利益が最大5年間非課税となります。
ところで、ジュニアNISAには18歳までは払い出し制限があtたり、非課税枠が年間80万円だったり、独自の決まりごとがあります。
成人NISAとの違い
成人NISAとの主な相違点は、対象が未成年であることや、年間投資枠が80万円だったり、払い出しの制限があることです。
詳細について、次の章で具体的に解説していきたいと思います。
ジュニアNISA制度の全体像
ここからは、ジュニアNISAを細かく解説していきます。
投資の利益が非課税になる
ジュニアNISAを使って購入した上場株式や株式投資信託等の配当金や売買益等は、全て非課税となります。
本来、投資の利益には20.315%の税金がかかりますが、それがまるまる非課税となるのは大きなメリットです。
ただし、国債や社債などの債券は非課税の対象外ですので、注意が必要です。
年間80万円までの投資が5年間非課税
ジュニアNISAで投資できる金額は年間80万円までで、購入した年から最大で5年間、非課税が適用されます。
つまり、毎年80万円ずつ非課税枠を利用すると、5年で最大400万円までの非課税枠を利用することができます。
なお、非課税枠が余っても翌年に持ち越すことはできませんし、売却して非課税枠に空きが出ても、追加で購入することはできません。
20歳までは非課税で預けられる
ジュニアNISAでは、5年の非課税期間が終了しても、時価80万円以内の部分については、原則20歳まで非課税のまま保有を続けることができます。
ただし、この状態の時は新規の買い付けはできず、売却代金や配当金なども18歳までは払い出しができません。
ジュニアNISAのメリット
最大400万円まで非課税となる
ジュニアNISAの一番のメリットが、1年間に80万円、5年で最大400万円までの非課税枠が利用できることです。
この400万円を使って、将来の教育費用を積み立ててもいいでしょう。
贈与もできる
祖父母から孫へ生存贈与をすると、年間110万円までの金額までは税金がかかりません。
毎年このお金を使ってジュニアNISAで運用できれば、相続税対策と非課税枠の活用といった両方のメリットを得ることができます。
ジュニアNISAのデメリット
18歳までは資金が引き出せない
ジュニアNISAの目的は、子供や孫の将来を見据えて長期的な投資をすることです。
そのため、両親や祖父母が個人的な投資目的で利用できないように、子供が18歳になるまでは払い出しの制限が設けられています。
もしも急にお金が必要になったら、不便ですね。
金融機関の変更ができない
成人NISAでは金融機関の変更が1年ごとにできますが、ジュニアNISAの場合にはそれができません。
一度口座を開設したら、18歳まではずっと同じ金融機関で取引をしなければなりませんので、最初の金融機関選びが重要となってきます。
マイナンバーの提出が必要
ジュニアNISAを始めるには、成人NISAでいう住民票の代わりにマイナンバーを用意する必要があります。
マイナンバーを知らせるのに抵抗がある人も多いでしょうが、本人確認のために必要ですので、そこは承知しておきましょう。
ジュニアNISAの払い出し制限とは
払い出し制限とは
ジュニアNISAでは、18歳まで資金の払い出しに制限が設けられていますので、資金が動かしづらいデメリットがあります。
ペナルティを支払えば払い出しも可能
ジュニアNISAには18歳までの払い出しに制限が設けられていますが、ペナルティを負担することで、途中で払い出すことも可能です。
この場合、口座を開設してから非課税で受け取った全ての投資の利益に課税がされ、税金を全て納める必要があります。
要するに、過去に遡って通常通り課税されるということですね。
払い出し制限の例外もある
18歳になる前の払い出しでも、例えば災害などで止むを得ず引き出す場合には、非課税となります。
災害時には、救済措置を設けてくれているのです。
ジュニアNISAのまとめ
以上、ジュニアNISAについて簡単に解説してきました。
自分の子供や孫に資産を残すために、ジュニアNISAを活用するのも一つの手です。