マイニングとは、ビットコインなどの仮想通貨の取引情報を記録する作業のことをいいます。
この記録作業を行うと、新しく発行された仮想通貨を報酬として受け取ることができます。
ただし、マイニングを行うためには、コンピューターを使って膨大な計算作業を行う必要があり、この計算作業を一番最初に終えた人だけが報酬をもらえる仕組みとなっています。
この計算作業のために、スペックの高いコンピューターを用意して、マイニング専用のソフトを導入する必要があります。
この記事では、ビットコイン(Bitcoin)でマイニングを行う方法と、ビットコインをマイニングする際におすすめのソフトを解説していきます。
参考:「仮想通貨のマイニングの仕組みとは?PoWとPoSの違いを詳細に解説」
(最終更新日:2019年8月10日)
ビットコインのマイニングで必要なものは3つ!
マイニングを行うにあたっては、マイニング用のコンピューター、ビットコインウォレットと呼ばれる保管用の口座、マイニング用のソフトの3つが最低限必要となります。
マイニング用のコンピューター
まずはじめに用意しなければならないのが、ビットコインのマイニングを行うためのコンピューターです。
マイニングの際には複雑な計算作業を行う必要がありますし、なおかつ他のコンピューターとの計算競争に勝たなければなりませんので、高性能なコンピューターを用意することが必須となります。
マイニングを始めるなら、3Dなどのグラフィック描写に必要な計算処理をするGPU付きのコンピューターを使うのがおすすめです。
GPUは普通のパソコンについているCPUよりも計算速度が速く、マイニングの計算に適した並列的な計算処理に特化しています。
マイニングは単純な計算作業を繰り返すものですので、単純作業を複数並列して行うことが得意なGPU付きのコンピューターが適しているのです。
ビットコインウォレット
ビットコインをマイニングすると、報酬としてビットコインを受け取ることができます。
受け取ったビットコインは、ウォレットと呼ばれる仮想通貨専用の口座に保管する必要があるため、ビットコインウォレットも用意する必要があります。
ビットコインウォレットの種類は色々ありますが、仮想通貨取引所のウォレットを利用するか、blockchain.infoを利用するのがいいでしょう。
取引所に口座を開設する
ビットコインウォレットを用意する一番簡単な方法が、仮想通貨取引所に口座を開設することです。
すでに取引所を開設している人はそのまま利用すればいいですし、まだ口座を開設していない人は、以下のリンクを参考に開設してみてください。
国内の取引所ですと「bitFlyer」「Zaif」「bitbank」、海外の取引所ですと「Binance」がおすすめです。
参考:「仮想通貨取引所の仕組みを理解しよう!どの取引所がおすすめ?」
blockchain.info
「blockchain.info」は、世界140か国以上の国で使われているビットコインウォレットです。
無料でウォレットを開設でき、登録も操作も簡単にできます。また、ビットコインの他にもイーサリアムの取り扱いもあります。
参考:「ビットコインとイーサリアムの今後の動向予想!どんな違いがある?」
海外の会社ですが日本語対応もありますし、スマホ向けアプリも実装されているので利便性が高いです。
マイニングソフト
マイニング用のコンピューターとビットコインウォレットが準備できたら、続けてマイニングを行うためのマイニングソフトを導入しましょう。
マイニングソフトを導入すると、ソフトを通じて複数のコンピューターが共同でマイニングの計算作業を行います。
莫大な計算処理のために自分のコンピューターの計算能力を貸し出し、自分が計算した功績に応じて報酬が支払われるようになっています。
投資を始めたい人へ 投資初心者にお勧めの記事はこちら!
ビットコインマイニング用のコンピューターは4種類!
ビットコインをマイニングするためのコンピューターは、大きく分けて「CPU」「GPU」「FPGA」「ASIC」の4種類に分けられます。
それぞれに一長一短がありますので、その特徴を具体的に解説していきます。
CPU(普通のコンピューター)
CPUを用いたマイニングは、予算的に一番ハードルが低い方法です。
CPU(central processing unit)とは、普通のコンピューター(パソコン)に初めから搭載されている部品で、コンピューターの制御やデータ処理を行う頭脳としての役目を果たしています。
CPUの一番のメリットが、自宅にあるパソコンでそのままマイニングを開始できるため、初期費用が安く抑えられることです。
その一方で、CPUは計算能力が低いため、他のコンピューターと比べてマイニングの効率が悪いというデメリットがあります。
「効率が悪くても、マイニングできるなら初期費用がかからないCPUでいいのでは?」という考えもできそうですが、効率の悪いCPUでマイニングを行うと電気代がかかるため、結果赤字になるケースが多いのです。
マイニング黎明期ではCPUを使ったマイニングでも利益を出せましたが、競争が激化した今では難しいのが現実です。
GPU(高性能コンピューター)
GPUはCPUよりも効率が良く導入も簡単なため、マイニング用コンピューターでよく使われています。
GPU(graphics processing unit)は画像処理に使われる集積回路で、高い画像処理能力が求められるゲーミングパソコンで利用されています。
すでにゲーミングパソコンを持っているのであれば、そちらを流用するのでもいいでしょう。
マイニング黎明期にはCPUを使ったマイニングが主流でしたが、今ではGPUマイニングが主流となっています。
なお、GPUが搭載されていないコンピューターでも、GPUを増設すればマイニングを始めることができます。
多少費用がかかりますが、GPUを購入し手持ちのコンピューターに増設することで、計算処理速度が向上します。
GPUの値段には幅がありますが、マイニング用のGPUを購入する場合は2万円〜5万円程度の初期費用がかかります。
ちなみに、GPUは元々画像処理用の集積回路なので、マイニングをしなくなった後はゲーミングパソコンとして利用することができますし、需要もあるため売却するのも簡単です。
FPGA
GPUの後に登場したのがFPGAです。
FPGA(field-programmable gate array)とは、製造後に設定を変更できる集積回路です。
ベースはある程度作られていて、そこから自由に機能を追加できる特性を持っており、プログラムの知識がある人向けのコンピューターです。
FPGAの性能はGPUと同じぐらいですが、同等の計算処理能力を持ちながらも、消費電力が抑えられるメリットがあります。
ASIC
初期費用がかかっても構わない人におすすめなのがASICです。
ASIC(application specific integrated circuit)は特定の用途のために使用する集積回路のことをいいます。
つまり、マイニングの用途のためだけに作られた集積回路がASICなのです。
ASICはマイニング専用の部品であるため、値段が高く、相場は10万円〜20万円程度となっています。
また、マイニング専用なので、使わなくなった後に売買するのが難しいというデメリットもあります。
しかし、ASICには圧倒的に計算処理が速いというメリットがあります。
電気代はかかりますが計算能力が非常に高いため、継続してマイニングすることで電気代の上昇をカバーできます。
ビットコインマイニング用のソフトは2種類!
ビットコインのマイニングソフトは、大きく分けてCUIとGUIの2種類に分けられます。
基本的には自分が使いやすい方のソフトを利用すればいいのですが、パソコンよっては対応していないケースもあります。
希望するソフトが手持ちのパソコンで使えるかどうか、事前に確認しておきましょう。
CUI
CUI(Character User Interface)とは、コマンド名を入力して操作するタイプのソフトです。
一般的な操作画面は、黒い画面に白いコマンド名が表示されます。WindowsのコマンドプロンプトがCUI方式ですので、こちらをイメージすると分かりやすいと思います。
主にキーボードを使って操作するので、慣れれば効率が上がりますが、直感的に操作できないデメリットがあります。
参照:クロの思考ノート
GUI
GUI(Graphical user interface)とは、マウスやタッチパネルを使って操作するタイプのソフトです。
操作ボタンがディスプレイに表示され、マウスやタップで選択するタイプなので直感的に操作できます。スマートフォンやパソコンの操作をイメージしていただければ分かりやすいでしょう。
普段のパソコン操作のように使えるので、ストレスなくマイニングを始めることができるでしょう。
ビットコインでおすすめのマイニングソフト!
ビットコインをマイニングするためのソフトは、数多くあります。
ここからは、初心者でも簡単に始められるマイニングソフトを2つご紹介します。
Minergate
Minergateは導入や操作方法がとてもシンプルなマイニングソフトで、操作がGUIタイプであるため、初心者でも直感的に扱うことができます。
また、自動的に収益性の高い仮想通貨を選んでマイニングするスマートマイナーという機能が付いているため、効率的にマイニングができます。
現在ビットコインのマイニングのみで収益を出すのは難しいため、他の仮想通貨もマイニングできるのは大きな強みとなります。
Minergateを始めるにあたって、まずはMinergateの公式サイトからアカウントを作成します。
アカウント作成はメールアドレスがあれば大丈夫です。exeファイルをダウンロードし、インストールまで完了させます。
あとはソフトを起動し、ログインすればマイニングができるようになります。
マイニングを始めるときは、「MINER」タブをクリックして、仮想通貨を選びます。あとは「START MINIG」をクリックすればマイニングが開始されます。
スマートマイナーをする場合は、上の「SMART MINER」タブをクリックして、「Start smart mining」ボタンをクリックすれば自動的にマイニングが開始されます。
参照:Minergate
NiceHash
NiceHashもシンプルなマイニングソフトで、操作方法はGUIタイプです。
自動的に効率のいい仮想通貨でマイニングが行われ、報酬はビットコインで受け取ることができます。他の仮想通貨で受け取ることはできません。
登録方法として、まずは公式サイト上部の「Register / Login」をクリックして、メールアドレスを入力し、アカウントを作成します。
次にソフトをインストールします。公式サイト上部の「For sallers」をクリックして、マイニングするコンピューターの種類を選びます。
ダウンロードし、インストールまで出来たらソフトを起動させます。
最初にライセンス同意と注意事項の説明文が表示されるので、読んでおきましょう。全て同意できれば、マイニングを始められます。
参照:NiceHash
投資を始めたい人へ 投資初心者にお勧めの記事はこちら!
個人規模でビットコインのマイニングで勝つことは可能?
マイニングは誰でも始めることができますが、個人単位で利益をあげるのはなかなか厳しいのが現状です。
理由としては、マイニングの競争が激化していることと、電気代の問題があります。
個人規模でマイニングに勝つのは非常に難しい
結論からいうと、個人規模でマイニングに勝つのは非常に難しいです。
その理由は、仮想通貨の知名度が高くなりマイニングの競合相手が増えているため、個人のコンピューターではマイニング競争に勝つことが難しいからです。
最近では資金力のある企業がマイニング事業に参入し、マイニングプールというマイニング専用の施設を建設し、マイニングを行っています。
このような企業は高性能なコンピューターを使ってマイニングを行なっているため、個人レベルでマイニングに打ち勝つことは不可能に近いです。
マイニング黎明期では普通のコンピューターについているCPUでマイニングを行う人がほとんどでしたが、今ではより計算処理能力の高いASICを使うプレーヤーが増えてきたため、個人でビットコインのマイニングを行うのは無駄な努力だといえます。
マイニング時にはコストがかかる
個人で競合とのマイニング競争に勝つためには、普段使っているコンピューターでは太刀打ちできませんので、高性能なコンピューターを用意する必要があります。
その際、高価なGPUやASICなどのコンピューターを用意する必要があるため、高額な初期費用がかかります。
また、マイニングを行う際には、ランニングコストとして電気代も考慮に入れなくてはなりません。
マイニングは24時間休むことなく行うため電気代がかかりますし、コンピューター機材から大量の熱が放出されるため冷却装置も常時稼働させる必要があるため、大量の電力を必要とします。
電気代は地域によりますが、ASICを使用すると、一ヶ月で2万円〜3万円程度かかるといわれています。
初期投資やランニングコストを考慮に入れると、一人の力でマイニングを行うと赤字になってしまうのが現状です。
個人規模でビットコインのマイニングに勝つ方法
個人の力だけでマイニングに勝とうとするのは、非常に難しいです。
しかし、だからと言って個人レベルでのマイニングが全て駄目かというとそうではありません。
しっかりと戦略を持ってマイニングを始めれば、個人でもマイニングで勝つことは十分に可能です。
マイニングプールを利用する
個人でマイニングを始めるなら、マイニングプールを利用するのが一番おすすめです。
マイニングプールとは、個人個人のコンピューターの力を合わせて、一緒にマイニングの計算を行うというものです。
報酬はそれぞれのコンピューターの貢献度に応じて支払われますので、高い報酬を得るためにGPUやASICを使ってマイニングをすると良いでしょう。
マイニングプールを選ぶ際には、参加者が多く、サーバーが安定しているところを選ぶのがおすすめです。参加者が多いほど、莫大な計算をすることができます。
マイニングプールで有名なのが、世界で圧倒的なシェアを持っている「Bitcoin.com」です。
Bitcoin.comは日本語対応もあるため、英語が苦手な人でも参加することができます。
アルトコインをマイニングする
ビットコインは競争が激しいため、高い計算能力を持ったコンピューターを使わなければマイニングで利益をあげることは困難です。
であるならば、ビットコインよりもマイナーなアルトコインをマイニングすれば、比較的競争率が低いので利益を出しやすくなります。
アルトコイン(Alternaive coin)とは、ビットコイン以外の仮想通貨を指します。
現在、アルトコインは1,600種類以上あると言われています。その中でも扱いやすいのがモナコインやイーサリアムです。
モナコイン
モナコインは、日本発祥の仮想通貨です。
日本国内で人気が高く、モナコインを使って決済できる店舗やサービスが多数あります。また、送金スピードが速いのも人気の理由です。
モナコインをマイニングしたいのなら、「VIP Pool」でできます。
参考:「モナコインはどこまで上がる?今後の将来性を大胆予測!」
イーサリアム
イーサリアム(Ethereum)は、ビットコインの次に時価総額が大きい仮想通貨です。
ビットコインは決済を目的にした仮想通貨ですが、イーサリアムはプラットフォームとしての機能やスマートコントラクトなどが主です。
参考:「イーサリアムのスマートコントラクトとは?仮想通貨を徹底比較」
イーサリアムをマイニングしたいときには、「ethermine」または「Antpool」を使うのがおすすめです。
ethermineはイーサリアムのみ、Antpoolはイーサリアムの他にビットコインやZcashなどもマイニングすることができます。
電気代の安い国で採掘する
日本は世界的に見て電気代の高い国ですので、本気でマイニング競争に勝ちたいと思ったら、電気代の安い中国やアメリカなどでマイニングするのも一つの手です。
参考までに、ビットコイン一枚につき日本では8,723ドルもの電気代がかかりますが、アメリカでは4,758ドル、中国では3,172ドル程度となっています。
ビットコインのマイニングソフトのまとめ
ビットコインのマイニングを始めることは簡単ですが、利益をあげるためにはきちんと準備を行うことが必要です。
最近はビットコインマイニングの競争が激化しているため、自力で稼ごうとするのではなく、マイニングプールなどを利用してマイニングを行うのがいいでしょう。
また、ビットコインのマイニングを避け、マイナーなアルトコインに舵を切るのもありです。
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