仮想通貨の始め方

仮想通貨のマイニングの仕組みとは?PoWとPoSの違いを詳細に解説

仮想通貨に興味を持った人は、まずその言葉の難解さに戸惑うことでしょう。

例えばマイニングやPoW、PoSといった言葉は、投資初心者ではなかなか理解するのが難しいと思います。

しかし、こういった専門用語を理解しているかどうかが、投資の成果に大きく影響するのは事実です。

そこでこの記事では、マイニングやPoW、PoSといった言葉に焦点を当てて解説していきますので、仮想通貨に対する理解を深め、投資で勝てるようになりましょう。

目代康二
仮想通貨に投資する上では、マイニングに対する理解が不可欠です!

(最終更新日:2019年3月3日)

仮想通貨のマイニングの仕組み

マイニングは仮想通貨のコアとなる仕組みです。

マイニングという仕組みがあるからこそ、仮想通貨はオンライン上で自由に取引されるようになるのです。

ここからは、仮想通貨の肝となるマイニングの仕組みを解説します。

マイニングとは

マイニングを一言でいうと、パソコンを使って作業を行い、報酬として仮想通貨を受け取ることをいいます。

もともとマイニングという言葉は英語の「mining」に由来する言葉で、「鉱山から金属を採掘する」ことを意味します。

仮想通貨は、取引情報の記録と確認を世界中のパソコンを使って行い、その整合性を保っています。

もしも誰かが取引情報を改ざんしようとしても、世界中のパソコンに記録されている取引情報を改ざんする必要があるため、不正ができないようになっています。

このような記録・確認作業を行なったユーザーに対して、新規で発行された仮想通貨がマイニング報酬として支払われます。

マイニング方式はPoWやPoSがある

仮想通貨のマイニングといっても、その種類はいくつかあります。

例えば、ビットコインが採用しているPoWだったり、OmiseGOなどの仮想通貨が採用しているPoSがあります。

それぞれのマイニング方式によってメリット・デメリットがありますので、詳細は次章から解説します。

PoW(Proof of Work)を理解しよう!

代表的なマイニング方式がPoWと呼ばれるものです。

PoWは数多くの仮想通貨で採用されている方式ですので、しっかりと内容を理解しましょう。

PoW(Proof of Work)とは

PoWは「Proof of Work」の略で、直訳すると「仕事の証明」です。

その言葉の通り、一番仕事をした者が報酬を受け取る仕組みです。

PoWは、ビットコインを始めとした多くの仮想通貨が採用しています。

それでは、具体的にどのような仕組みなのでしょうか?

PoWでは、マイナーと呼ばれる仮想通貨の取引情報を記録する者が、複数の取引情報をまとめた「ブロック」と呼ばれるデータを作成します。

そして、このブロックが作成されると、インターネット上にある複数のパソコンで計算作業を行い、計算が無事終了すると、そのブロックが正当な取引情報として見なされます。

この際、一番早くブロックを作成した人が報酬として仮想通貨を受け取ります。

当然のことながら、世界中のパソコンに勝たなければならないため、その過程で熾烈な計算競争が行われることになります。

参考:「ビットコイン(Bitcoin)のマイニングソフトは何が一番おすすめ?」

中央管理者がいなくても自律的に稼働する

PoWという仕組みが存在することにより、中央銀行などの特定の管理者がいなくても、仮想通貨のシステムは自律的に稼働するようにできています。

そもそも仮想通貨は、その仕組みからして不正取引を行うことは困難です。

しかし、マイニングの時に限っては、不正なブロックを作成することができさえすれば、取引を改ざんすることは可能です。

ところが、不正なブロックを作成するためには、世界中に存在するマイナーと計算競争で勝たなければなりません。

世界中に散らばるコンピューターとの計算競争に勝つのは、至難の業ですし合理的ではありません。

不正を働くために世界中のコンピューターと競争するよりかは、大人しくマイニングを行なって報酬を得た方が合理的と言えます。

PoWにより、不正な取引をする動機が薄れ、健全に取引を行う動機が強くなるようになっています。

健全に取引を記録をした方が合理的なため、特定の管理者がいなくても、仮想通貨のシステムは自律的に稼働し続けるようになっているのです。

目代康二
仮想通貨のすごいところが、誰かが管理しなくても、自立的にその仕組みが維持されるところなんですね!

PoWの2つの弱点

一見よくできたPoWですが、実は2つの弱点があります。

この弱点を補うため、PoWと後述するPoSとを組み合わせる仮想通貨も多く存在します。

①51%攻撃

PoWの仕組み上、世界中のコンピューターの51%以上の計算能力を持つマイナーが現れると、仮想通貨のブロックチェーンを自由に書き換えられるようになります。

つまり、そのマイナーによって意図的に不正取引が行われてしまうのです。

ただ、現実問題、すでにいるマイナーの計算能力を上回るためには莫大な設備投資が必要ですので、51%攻撃はなかなか起きづらいとも言われています。

懸念としては、中国だけでビットコインのマイニングの9割以上を行なっているため、その気になれば51%攻撃も不可能ではないのかもしれません。

②莫大な初期投資と電気代

PoWはコンピューターの性能が物を言いますので、巨大なサーバーを複数備えた「マイニングプール」と呼ばれる設備を用意する必要があります。

これには莫大な初期投資が必要となります。

つまり、マイニングに参加できるのは、はじめから大きな資金を持っている企業や資産家に限定されてしまいます。

私たち一般人がマイニングに参加して勝つのは、ほぼ不可能に近いということですね。

また、マイニングの際には大量の電力を必要とします。

この電気代も半端ではありませんし、電力を使いすぎるため地球環境に悪いとも言われています。

つまり、PoWは裕福な人がもっと裕福になるための仕組みになっていますし、地球環境にも非常に悪いのです。

PoWの問題点

・資金を持っている企業や資産家しかマイニングに参加できないため、不公平

・マイニング時に莫大な電力を必要とするため、地球環境に悪い

目代康二
PoWは効率が悪いと言われています。ですので、後述するPoSと組み合わせる通貨が多く存在します。

PoS(Proof of Stake)とは?

PoWに変わるマイニング方式として注目されているのがPoSです。

PoWとPoSを組み合わせる通貨が多く存在します。

PoS(Proof of Stake)とは

PoSは、最初に説明したPoWの問題点を補う形で登場しました。

英語に直すと「Proof of Stake」で、直訳すると「資産保有による証明」です。

コンピューターの性能だけでマイニングを競わせるのではなく、保有している仮想通貨の量も考慮に入れられているのがポイントです。

具体的には、仮想通貨を保有している量に応じて、取引記録のブロックが承認される確率が変わります。より多くの通貨を保有している人ほど、承認の成功率が上がるようになっています。

PoSには2つのメリットがある

PoSmには大きく2つのメリットがあります。

①コンピューターの性能や計算能力をあまり必要としない

PoSは、PoWのように「総当たり形式」で計算させるのではなく、保有する通貨の量が多いほど計算の成功率が上がるようにできています。

そのため、PoWのような大掛かりなコンピューター設備は必要なく、また計算作業に大量の電力を必要としません。

また、取引にかかる時間もより早くなっています。

PoWと比べると、PoSはかなり効率的なのです。

②51%攻撃に対処できる

PoSのもとでは、2つの理由から51%攻撃が発生しにくくなります。

1つ目の理由が、不正を働くためにはマイニングに成功する必要がありますが、そのためには、大量の通貨を保有しないといけないことです。

大量の通貨を購入し保有しておく必要があるため、51%攻撃を行う「コスト」が高くなってしまうのです。

2つ目の理由は、仮に51%攻撃を仕掛けると、不正取引があったということでその通貨の価格が下がってしまい、結果的に自身の保有する通貨の価値が目減りしてしまうからです。

以上2つの理由から、PoSは51%攻撃が起きづらいといわれています

取引量が減ってしまう恐れがある

PoS方式のデメリットとして、マイニングを有利に運ぶためには、より多くの通貨を保有している必要があるため、取引を行わず塩漬けになってしまう人が多く発生することです。

すると、通貨の流動性が低下してしまい、価格が不安定になったり、価格が上昇しづらくなってしまいます。

また、ある瞬間の取引記録を書き換えるだけなら、計算能力だけが物を言うPoWよりもPoSの方が書き換えやすいため、取引記録を改ざんしやすいという問題点もあります。

目代康二
PoWにもPoSにもそれぞれ一長一短があります。なかなか難しい問題なんですね。

仮想通貨のマイニングのまとめ

今回は、仮想通貨を理解する上で知っておきたいマイニングに焦点を絞って解説してきました。

仮想通貨では、PoWやPoSという仕組みにより、特定の管理者がいなくても取引が成立するようになっています。

マイニングの仕組みを理解していれば、あなたが仮想通貨を選ぶ際、PoWを採用しているものを選ぶのか、それともPoSを選ぶのか、判断材料が増えると思います。

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