イーサリアムは、時価総額2位の仮想通貨です。
イーサリアムにはビットコインのような決済機能の他に、契約情報を記録するスマートコントラクト、さらには新たに仮想通貨を作り出すプラットフォームとしての機能も備わっています。
参考:「イーサリアムのスマートコントラクトとは?仮想通貨を徹底比較」
イーサリアムは知名度抜群ですし、またマイニングを行っている人や団体も数多く存在します。
イーサリアムのマイニングを検討している人も多いのではないでしょうか?
参考:「仮想通貨のマイニングの仕組みを理解しよう!PoWとPoSの違いは?」
しかしその一方で、最近イーサリアムのマイニングが終了するという噂が流れています。
果たして、その真偽はどうなのでしょうか?
この記事では、イーサリアムのマイニングの現状と、今後イーサリアムのマイニングがどのような方向に進むのか、解説していきます。
イーサリアムのマイニングの現状
イーサリアムのマイニングが終了する話をする前に、まずは現状イーサリアムのマイニングがどのように行われているのか、基本から解説していきます。
参考:「ビットコインとイーサリアムの違いを解説!投資するならどっち?」
イーサリアムのマイニング方法はPoW
そもそもマイニングとは、仮想通貨の取引データを記録する作業のことをいい、マイニングに成功すると、仮想通貨を報酬として受け取ることができます。
マイニングの方法にはいくつかありますが、イーサリアムが採用するのはPoWという方式です。
PoW(Proof of work)とは、コンピューターを使って計算処理を行い、一番最初に計算が終了した者に報酬が支払われるマイニング方式です。
参考:「仮想通貨のマイニングの仕組みを理解しよう!PoWとPoSの違いは?」
仮想通貨黎明期にはそれほどマイニングの競争が激しくなかったため、普通のコンピューターを使っても十分にマイニングを行うことができました。
しかし、最近では高性能コンピューターや巨大なサーバー設備を持つ大資本が次々とマイニングに参入しているため、個人レベルではPoW方式のマイニングで勝ちづらい状況となっています。
また、PoWにはマイニングの際に膨大な電力を必要とするデメリットがあります。
マイニングを行うためには長時間コンピューターを使用続ける必要がありますし、コンピューターからの熱を冷ます冷房設備を用意する必要があるため、多大な電力を消費します。
イーサリアムの採用しているPoWというマイニング方式には、多くの問題点があるのです。
工夫すれば個人でもマイニングできる
さて、イーサリアムのマイニングは難しいという話をしてきましたが、それは”一人だけの力”ではということです。
つまり、工夫しさえすれば、個人でもマイニングで勝つことは十分できるのです。
マイニングは「ソロマイニング」「プールマイニング」「クラウドマイニング」の3種類に分けられ、どのマイニング方法を選ぶかによって、マイニングで勝てるかどうかが変わってきます。
ソロマイニング
ソロマイニングとは、自分の一人の力だけでマイニングを行う方法です。
先ほども説明した通り、最近は大資本がマイニングに参入しているため、ソロマイニングで個人がマイニングに勝つことは非常に難しくなっています。
これからマイニングを始めようという人は、ソロマイニング以外の方法を選択するのが賢明です。
なお、ソロマイニングを始める際には、普通のコンピューターでは計算能力が低く太刀打ちできないため、最低でもGPU、資金に余裕があるならASICを用意すると良いでしょう。
参考:「ビットコイン(Bitcoin)のマイニングソフトは何が一番おすすめ?」
プールマイニング
個人でマイニングを始めるなら、プールマイニングがおすすめです。
プールマイニングとは、複数の人が互いに協力し合ってマイニングを行う方法です。
みんなで協力してマイニングを行うため、マイニング競争に勝ちやすくなります。
プールマイニングの際には、自分のコンピューターがどれだけ計算作業に貢献したかに応じて、報酬を受け取ることができます。
プールマイニングを始める方法は非常に簡単で、マイニングプールのサイトからアカウントを作成し、ソフトをダウンロード、インストールします。あとは、ソフトを起動してマイニングを始めるだけです。
クラウドマイニング
クラウドマイニングとは、マイニングを行う企業に投資することで間接的にマイニングする方法です。
企業は投資家から集めた資金を使ってマイニングを行い、出資金に応じて配当を支払います。
クラウドマイニングを行うと、わざわざマイニング用のコンピューターを用意する必要がありませんし、電気代もかかりませんので、手軽にマイニングを始められるメリットがあります。
その一方で、クラウドマイニングにはリスクが伴います。
例えば、クラウドマイニングを行なっている企業が破綻し配当が支払われなくなったり、利益が出ているのに意図的に配当を支払わないケースもあります。
クラウドマイニングを始める際には、投資先の企業の経営状況をよく確認しておくことが大切です。
今後イーサリアムのマイニングは終了する?
圧倒的な知名度を誇るイーサリアムですが、マイニングが終了するという話も出ています。
それでは、イーサリアムのマイニングは本当に終了してしまうのでしょうか?
ここからは、イーサリアムのマイニングが今後どのように変わっていくのか解説していきます。
参考:「ビットコインとイーサリアムの違いを解説!投資するならどっち?」
マイニング方式がPoSに移行する
イーサリアムは、4段階のハードフォークを経て開発が進められています。
ハードフォークとは、互換性のない仮想通貨のアップデートのことをいい、ハードフォークが行われると、新しい通貨と古い通貨に仮想通貨が分裂します。
例えば、ビットコインが分裂してビットコインキャッシュが誕生したのは、ハードフォークのいい例です。
イーサリアムのハードフォークには各段階で名前が付けられており、「フロンティア」「ホームステッド」「メトロポリス」「セレニティ」という順番になっています。
現時点では「メトロポリス」まで進んでいます。
ハードフォークの最終段階「セレニティ」において、イーサリアムのマイニング方式がPoWからPoSへ移行する予定です。
PoS(proof of stake)とは、仮想通貨の保有量が多いほどマイニングに成功しやすくなるマイニング方式です。
最近「イーサリアムのマイニングが終了する」という話が流れているのは、マイニング方式がPoWからPoSへと移行し、マイニングができなくなるのでは?という考えからきています。
参考:「仮想通貨のマイニングの仕組みを理解しよう!PoWとPoSの違いは?」
イーサリアムのマイニングは終了しない
結論からいうと、イーサリアムのマイニング方式がPoSに移行したからといって、イーサリアムのマイニングが終了するということはありません。
PoSに移行しても、引き続きマイニングは行われます。
ただし、現在のPoWのような計算能力の高いコンピューターを使った計算競争ではなく、イーサリアムを多く持っている人が有利にマイニングを進める、ゆるやかなマイニングに変わっていきます。
イーサリアムのマイニング終了の影響
イーサリアムがPoSへ移行し、従来のマイニングが終了すると、一体どのような影響があるのでしょうか?
ここからは、イーサリアムの今後の展開について解説していきます。
参考:「イーサリアムのチャートは長期的にどうなる?今後の将来性を分析!」
PoWで使えたマイニング機器が使えなくなる
イーサリアムが将来PoSに移行すると、PoWで使用していた機器が使用できなくなります。
というのも、PoSにおいては、PoWのマイニングのような高性能なコンピューターが必要なくなってしまうからです。
だからと言って、気に病む必要はありません。
既にマイニングをしている場合には、別のアルトコインのマイニングに切り替えればいいのです。
イーサリアムの価格は上昇する?
マイニング方式がPoSに移行すると、イーサリアムの新規発行数量が減少しますし、PoS方式ではイーサリアムを多く保有していた方が利益を得られるため、イーサリアムをホールドする力が働きます。
つまり、市場に出回るイーサリアムの量が減るため、イーサリアムの価格は上昇すると考えられます。
その一方で、イーサリアムには発行上限がないため、供給過多となり、長期的に見ると価格は緩やかに下落します。
以上のことから、イーサリアムの価格はPoSへの移行により短期的には上昇しますが、長期的には供給過多のためゆるやかに下落する可能性が高いといえるでしょう。
イーサリアムのマイニング終了のまとめ
イーサリアムはPoSに移行した場合でも、ステーキングという形でマイニングすることができます。
しかし、PoWの際に使用できた機材は使えなくなるため、これからイーサリアムのマイニングを始めたい人は、GPUやASICなどを購入せず、PoS移行まで待っていた方が良いでしょう。
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