現在日本では、貯金をしてもほとんど利息がつかない状況です。そんな状況下で、投資をして少しでもお金を増やしたいと思う人が多くいると思います。しかし、投資で一番怖いのが「元本割れ」することです。この元本割れが怖くて、投資を躊躇してしまう人が多くいるのではないでしょうか??
そこで今回は、元本保証型の投資について複数ご紹介したいと思います。まずは元本保証型の投資から、資産運用の第一歩を踏み出しましょう。
元本保証の基礎知識
元本保証とよくいいますが、実際どういう仕組みの金融商品なのでしょうか。こちらで基礎知識をご説明したいと思います。
元本保証とは
すべての運用期間にわたって元本が減らないことが保証されており、換金時にも元本が満額支払われることが保証されていることを、元本保証といいます。
ローリスク・ローリターン
投資の基本として、リスクを取ればそれだけリターンも大きくなります。元本保証されているということは、リスクが抑えられていることになりますから、当然リターンも小さくなります。元本保証型の金融商品は、ローリスク・ローリターンの投資ということです。
元本保証で資産運用を考えている人は、「貯金するよりはいくらか儲かる」という認識で投資をするといいでしょう。元本保証の最大のメリットは、資産を失う可能性がないという「安全性」に尽きるのです。
元本保証型の商品
元本が保証された金融商品には、様々な種類があります。その具体的なものが、預貯金、国債、地方債、保険などです。一つ一つの商品の特徴については、次章から詳しく説明します。
元本保証される商品
ここからは、元本保証される商品について具体的に取り上げていきたいと思います。
定期預金
定期預金は、一定期間お金を引き出すことができない代わりに、普通預金よりも高い利息をもらうことができます。
普通預金よりも利息が多くもらえる
定期預金の利率は、普通預金よりも高く設定されています。また、預金期間が長くなるほど、利率も高くなります。定期預金金利で一番高いものが0.2%となっています。一方、多くの人が利用しているメガバンクの普通預金の利率は0.001%です。利率を比較してみると、200倍も利率が違うことが分かります(2016年12月16日現在)。
いつでも引き出せる
定期預金は原則中途解約できませんが、解約した場合でも元本は保証されます。ただし、解約した場合には、通常よりも低い利率が適用され返金されます。
金融期間が倒産しても1,000万円までは保証される
もしも定期預金している金融機関が倒産しても、ペイオフにより1金融機関につき1人当たり元本1,000万円までとその利息が保証されます。1,000万円を超える資金を持っている場合には、複数の金融機関に分けて1,000万円ずつ預金をした方が、万が一の時にも元本が保証されます。
個人向け国債
個人向け国債とは、個人でも購入できるように作られた国債のことをいいます。国債は日本という国が責任を持って発行しているわけですから、日本が破綻しない限りは元本が保証されています。
3種類に分かれる
個人向け国債は、変動金利で10年満期の「変動10年」、固定金利で5年満期の「固定5年」、そして固定金利で3年満期の「固定3年」の3種類に分かれます。いずれの商品も、半年に一度利息が指定した口座に支払われるようになっています。
金融機関や郵便局で購入可能
個人向け国債は、個人向け国債を扱っている複数の金融機関と郵便局にて購入可能です。国債といっても、比較的手軽に購入できるのが、個人向け国債のメリットです。
最低金利が保証されている
個人向け国債では最低金利が保証されています。個人向け国債は変動金利型と固定金利型に分かれますが、いずれも最低適用金利が設定されています。そのため、変動金利型の商品を購入しても、最低金利を下回ることはありません。
ちなみに、最近では日銀のゼロ金利政策の影響もあり、最低金利の0.05%が適用されています。
中途解約が可能
通常、債券は中途解約することができません。しかし個人向け国債の場合には、購入から1年経過すれば、いつでも中途解約が可能です。ただし中途解約すると、ペナルティとして「直近2回分の利息相当額に0.79685を掛けたもの」が差し引かれて償還されます。
地方債
地方債とは、地方自治体が発行する債券のことです。個人レベルでは、自治体が個別に発行する「個別債」と、複数の自治体が共同で発行する「共同債」を購入することができます。銀行や証券会社で購入できます。利率は自治体によって異なっており、利払いは年2回行われます。
国債よりも金利が高い
地方債は、個人向け国債と比べて利率が高い傾向にあります。個人向け国債の利率が0.05%なのに対して、地方債の利率は最大で0.73%のものもあります(2016年12月現在)。10倍以上の開きがありますので、地方債を検討してもいいかもしれません。ただし、運用期間が長くなりますので、資金が拘束されるデメリットはあります。
保険商品
保険も、うまく使いこなせば元本保証型の金融商品として考えることができます。養老保険に加入すれば、保険期間が終了するタイミングで、これまでの支払総額に利息が加算された金額を受け取ることができます。
公社債投資信託
株式を一切組み込まずに、安全性の高い公社債のみで運用するのが公社債投資信託です。投資信託という言葉から分かる通り、こちらは元本が保証されていない商品です。しかし、元本割れするリスクは非常に低く、少しでも高い利回りを狙いたいのなら、検討してみても面白いでしょう。こちらは金融機関で購入することが可能で、1万円ほどの少額から始めることができます。ネット証券を利用すれば、販売手数料が無料であることも多くあります。
まとめ
元本保証型の商品は、安全性は確かに高いですが、その分収益性を犠牲にするデメリットがあります。理想としては、全資産のうち一定割合までを元本保証型の商品で回し、残りをリスクのある商品で運用するといいでしょう。
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