投資初心者にとって、プロが自分の代わりに投資の運用をしてくれる投資信託は、魅力的な投資の一つです。
その投資信託の中でも、今回ご紹介する公社債投資信託は非常にローリスクな投資です。
この記事では、そんな公社債投資信託の概要についてご紹介したいと思います。
公社債投資信託の基本
まずは、公社債投資信託の基本的な内容からご紹介します。
公社債投資信託とは??
公社債投資信託とは、公社債のみに投資する投資信託です。
公社債「のみ」というのがポイントで、株式に投資していたり、株式に投資できると目論見書で書かれている投資信託は、公社債投資信託とは言わず株式投資信託といいます。
公社債の内容
公社債というのは、公債と社債のことを指します。
「公債」には国債と地方債があります。
国債というのは、国が発行する債券ですので、国が破綻しない限りは利払いと元本が保証されており、最も安全な投資先といわれています。
地方債は、都道府県や市区町村が発行する債券で、こちらも破綻する可能性は極めて少ないですので、安全な投資先といえます。
「社債」とは、会社が発行する債券のことです。
社債を発行した会社によっては倒産する可能性もありますので、リスクが低いものから高いものまで様々なものあります。
単位型と追加型
公社債投資信託は2種類に分けることができます。
「単位型」は、定められた募集期間にしか購入できないタイプのもので、多くの場合、数年の満期が定められています。
途中で購入しようと思っても、購入はできません。
「追加型」とは、いつでも自由に購入したり換金できるものです。
こちらの追加型が公社債投資信託の主流となっています。
公社債投資信託の種類
こちらでは、公社債投資信託の代表的な種類について見ていきます。
MRF(マネー・リザーブ・ファンド)
MRFとは、証券会社で口座を開設した際に自動的に設定されることが多い公社債投資信託です。
株や債券などに投資していない残金を自動的に公社債で運用してくれるので、定期預金よりも高い利率が期待できます。
売買手数料は無料で、一円単位からいつでも取引可能です。
MMF(マネー・マネジメント・ファンド)
MMFは、MRFと基本的には同じ商品ですが、MRFと違って自分が申し込む必要がある公社債投資信託です。
30日未満に解約すると手数料がかかりますが、その分、MRFよりも金利が高めに設定されています。
30日以上預ければ、MRFと同様、解約手数料が無料となります。
ただし、現在は日銀のゼロ金利政策によって、MMFの設定はされていません。
中期国債ファンド
2〜6年で満期の中期国債を中心に運用するのが、中期国債ファンドです。
公社債投資信託の特徴
ここから、公社債投資信託の特徴をご紹介します。
利回りが低い
公社債投資信託の利回りは、かなり低いです。
一般的にいうと、銀行の定期預金よりも少し高い程度です。
それはそのはず、そもそもリスクの低い公社債を中心に運用しているのですから、当然利回りが低くなって当然です。
リスクが低い
公社債投資信託は、公社債という安全性が極めて高い運用成果を目指しますので、リスクが低いです。
基本的には元本割れの可能性はないとすら言えます。
ただし、投資ですので元本割れのリスクはゼロではありませんから、注意が必要です。
つまり、公社債投資信託はローリスク・ローリターン投資の典型なのです。
公社債投資信託の利益
公社債投資信託は堅実に利益が出る投資ですが、利益は2種類に分けられます。
分配金
分配金とは、投資信託の利益が投資家に分配されたものをいいます。
なお、MRFやMMFでは、分配金を毎日計算して月末に一括で再投資しますので、1か月ごとに複利効果が得られることになります。
売却益
公社債投資信託を手放す際に、値上がりしていれば売却益が発生します。
解約手数料には要注意
もともと利回りの低い公社債投資信託にとって、解約手数料は大きな痛手となります。
一部の公社債投資信託では解約手数料がかかりますので、解約手数料を上回る利益が出るよう、しっかりと計算してから投資を始めましょう。
公社債投資信託の税金
公社債投資信託にも、他の投資と同様に税金が課されます。
税金は20.315%
公社債投資信託では、分配金と売却益に対して20.315%の税金が課せられます。
ただし、他の株式などと損益通算が可能です。
節税にNISAを活用することができない
公社債投資信託では、なんとNISAを利用することができません。
これでは税金から逃れられません、
ただ、NISAではもっと利益の出る投資をした方が、節税効果は大きくなりますね。
特定口座を利用すれば確定申告は不要
公社債投資信託で「特定口座で源泉徴収あり」を選択した場合には、確定申告をする必要はありません。
利益が上がるたびに、自動的に税金が控除されますし、他の投資信託や株式との損益通算も自動的に行われます。
まとめ
ここまで公社債投資信託について見てきました。
結論からいうと、なるべくリスクを取りたくない人にオススメなのが、公社債投資信託といえるでしょう。
投資を始める第一歩としては最適かもしれませんね!