投資信託を調べていると、たまに「ファンド・オブ・ファンズ」と記された投資信託を見つけたりしないでしょうか?
実は、ファンド・オブ・ファンズの投資信託は、一見かなり良さそうに思えるんです。
でも、フタを開けてみると、あまり良くないことが分かります。
それはどうしてなのでしょうか?具体的に内容を見ていきましょう。
ファンド・オブ・ファンズとは
そもそもファンド・オブ・ファンズとは、複数の投資信託に投資する投資信託です。
つまり、あなたがファンド・オブ・ファンズを購入すると、ファンド・オブ・ファンズは自らの運用方針に合う別の投資信託を探してきて、それに投資をするのです。
なので、あなたは一つの投資信託に投資するだけで、実質的に複数の投資信託に投資することができます。
ファンド・オブ・ファンズのメリット
ファンド・オブ・ファンズでは、主に2つのメリットを享受できます。
どちらのメリットも、あなたの代わりにファンド・オブ・ファンズが投資信託を購入してくれることから生まれています。
リスク分散ができる
ファンド・オブ・ファンズのメリットとして最初挙げられるのが、まさしくリスク分散でしょう。
ちなみにリスク分散とは、複数の値動きの異なる投資商品を購入することで、その値動きのブレ(リスク)を抑えようという考え方です。
ファンド・オブ・ファンズの場合、複数の投資信託に投資しますので、実質、あなたは複数の投資信託に投資することになります。
ですので、ある投資信託が大きく下落したとしても、他の投資信託の上昇でそのリスクを抑えることが期待されます。
そういう意味で、ファンド・オブ・ファンズを一つだけ持っているだけで、運用の安定性が増すと考えて良いでしょう。
プロが投資信託を代わりに選んでくれる
ファンド・オブ・ファンズは、ファンドの運用者が自ら投資信託を探してきて投資をしてくれます。
ですので、あなたはファンド・オブ・ファンズの投資信託を一つ購入するだけで、あとは特に何もしなくても、勝手に投資を進めることができます。
非常に楽ができる投資信託と言えます。
ただ、運用のプロが選んだ投資信託と言っても、本当にあなたにとって理想的な投資信託を購入してくれるかは疑問が残るところです。
ファンド・オブ・ファンズのデメリット
ファンド・オブ・ファンズには、非常に重大なデメリットがあります。
もしもファンド・オブ・ファンズに投資するなら、このデメリットは必ず頭に入れるようにしましょう。
信託報酬が二重に掛かる
これが、ファンド・オブ・ファンズの最大のデメリットと言えます。
ファンド・オブ・ファンズを買うということは、実質的にファンド・オブ・ファンズと、その先にある投資信託の両方に投資することになります。
ですので、信託報酬が二重に掛かってしまうのです。
このため、ファンド・オブ・ファンズでは、他の普通の投資信託と比べて、信託報酬が高くなる傾向があります。
そもそも投資信託は長期的視野に立って投資するのが大原則です。
ですので、いかに手数料を低くしていくかが重要となってきます。
そういう意味では、ファンド・オブ・ファンズのような信託報酬が高い投資信託は、そもそも投資するに値しないと考えて良いでしょう。
ファンド・オブ・ファンズの投資先が分かりにくい
ファンド・オブ・ファンズは、運用者に投資信託の購入を一任するので、あなたが知らないうちに、別の投資信託に投資していたりすることがあります。
そうすると、本来あなたが望まないような投資信託に投資してしまったり、あまりにも危険すぎる投資信託に投資してしまったりすることになります。
これを防ぐには、頻繁にファンド・オブ・ファンズの投資先をチェックする必要があります。
しかし、これでは運用者に投資信託の購入を一任できるメリットと、見事に矛盾してしまいますね。
ファンド・オブ・ファンズのまとめ
ファンド・オブ・ファンズは、一つの投資信託を購入することで、複数の投資信託に投資できるため、一見すると非常に使い勝手が良さそうに見えます。
しかし、投資信託にとって非常に重要な「信託報酬」が高くなってしまうデメリットあります。
ですので、ファンド・オブ・ファンズに投資するぐらいなら自分で複数の投資信託を購入したほうが、手数料を大幅に節約できます。
ただし、それでもファンド・オブ・ファンズに投資したいという人は、信託報酬が少なくとも1%以下になるような投資信託を購入するようにしてください。
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