あなたは、自分の老後資金がいくら必要かご存知でしょうか??まだ老後が先だと思っている人も、若いうちから資金を貯めておけば、将来のことを気にせずに毎日過ごすことができます。備えあれば憂いなしです!
ということで、今回は老後に必要な資金について解説したいと思います。
老後資金の基本
老後資金とよく言いますが、そもそも老後資金とは何なのでしょうか??こちらで簡単にご説明したいと思います。
老後資金ってそもそも何?
老後資金は、仕事を退職した後に必要となる、毎日の生活費、医療費、冠婚葬祭費、趣味に費やすお金などの資金のことをいいます。老後というからにはすでに仕事を退職しているわけですから、給料の収入がありません。従って、資金を貯めておくか、または定期的にお金を受け取れる仕組みを作っておく必要があります。
ちなみに、老後の線引きは曖昧な傾向がありますが、この記事では65歳以降を老後と考えて解説したいと思います。
老後は何年あるか?
日本人の平均寿命は、2015年のデータによると男性が80.79歳、女性が87.05歳です。平均的に見て、日本人は80歳ぐらいまでは生きることになります。
また、厚生労働省の発表している簡易生命表によると、2015年現在65歳の人の平均余命は、男性が19.46歳、女性が 24.31歳という結果です。この記事では、この平均余命を踏まえ、老後の期間は20年として解説を進めたいと思います。
老後が20年間もあるというのは、長いような短いような不思議な気持ちがしますよね。老後はお金に苦労することなく、穏やかな気持ちで元気に過ごしたいものです。そのためにも、元気に働ける今の内から老後資金を貯めておくことが大切です。
老後資金の必要額は??
ここからは、具体的に老後で必要な資金について説明したいと思います。
老後の収入
老後の収入源は、主に2つ挙げられます。
退職金
老後に最初にもらえるお金が、勤務していた会社からの退職金です。勤続年数が35年以上のサラリーマンの退職金は、およそ2,000万円ほどです。
年金
夫がサラリーマンで平均年収500万円、35年間会社に勤務し、妻が専業主婦の家庭を想定して考えてみます。
夫は厚生年金87万円、基礎年金75万円、合わせた受給額は年間162万円ほどです。妻の基礎年金は75万円ほどです。合計世帯年収は240万円ほどとなります。つまり、毎月の収入は20万円ほどと考えられます。
老後の支出
老後の支出額は、最低限の生活を送る場合と、ゆとりある生活を送る場合とで2通りに分けられます。
最低限の生活を送る場合
夫婦二人で老後生活を送る場合、必要最低限の生活費が22万円といわれています。
ゆとりある生活を送る場合
この場合、最低限の生活を送る場合に加えて、旅行やレジャー、趣味や教養に費やすお金も上乗せしています。必要な金額は35.4万円といわれています。今回は36万円と仮定して解説します。
最低限の生活を送る場合の毎月の収支
最低限の生活を送る場合、収入が毎月20万円に対して、支出は毎月22万円となります。つまり、毎月2万円のお金が不足します。以下、平均年齢まで長生きする場合と、100歳まで長生きする場合の収支について解説します。
人並みに長生きしたら
老後の平均余命は20年ですので、毎月2万円のマイナスが20年続くとすると、20年間の不足額は480万円です。退職金が2,000万円ありますから、十分に生活可能といえます。
100才まで生きたら
もしも100歳まで生きるとすると、老後がおよそ40年となりますので、必要額は960万円となります。この場合も退職金の2,000万円がありますから、十分生活することが可能といえます。
考察
最低限の生活を送るとすると、退職金をもらえば老後資金は事足りるということがわかりました。しかし、老後に突然病気にかかり出費が重なることも考えられますし、もっと家計的に余裕のある生活をしたいと考える人も多いでしょう。ここでの必要額は、あくまで「最低限」の生活を送る場合に必要な資金だと考えておいてください。
ゆとりある生活を送る場合の毎月の収支
ゆとりある生活を送る場合、収入が毎月20万円に対して、支出は毎月36万円となります。つまり、毎月16万円ものお金が不足することになります。こちらのケースでも、平均年齢まで生きる場合と、100歳まで長生きする場合の収支について見ていきましょう。
人並みに長生きしたら
老後の平均余命は20年ですので、毎月16万円のマイナスが20年続くとすると、20年間の不足額は3,840万円です。退職金が2,000万円ありますから、差額で1,840万円のお金が不足します。
100才まで生きたら
もしも100歳まで長生きしたとすると、老後がおよそ40年となりますので、必要額は7,680万円となります。この場合も退職金の2,000万円がありますから、差額で5,840万円のお金が不足します。
考察
ゆとりある生活を送る場合、人並みに生きるだけでも1,840万円、100歳まで生きる場合でも5,840万円もの資金が不足することが分かりました。
やはり老後は自分の趣味を楽しみつつも、たまには旅行に行ったりレジャーを楽しみたいものですから、ゆとりある生活を送りたいものです。また、最近では寿命がどんどん伸びてきていますので、80歳以上まで長生きする可能性があります。もしも長生きした場合、老後の途中で資金が底を尽きたら最悪の場合、生活保護を受けなければならなくなります。そんなことにならないよう、最低限2,000万円ほどのお金は貯めておいた方がいいと筆者は考えます。
老後資金のこれから
ここまで老後の必要資金は分かりましたが、もしもその資金を貯められなかったり、老後の途中で底を尽きたらとても怖いですよね??老後の生活のこれからを考察してみました。
気づけば老後が来る
老後というのは、意外とすぐやって来るものです。そんな中、意識的に老後資金を貯めようとしないことには、なかなか資金を貯めることはできないでしょう。例えば、住宅ローンの支払い、子供の教育費、お金の無駄遣い、こういった支出があると気がついたら貯金するお金がないということも考えられます。ですので、今からでもいいので、貯金を始めることが大切です。
老後も働き続ける
老後資金が貯められなかった場合、会社を退職した後も働き続ける必要があります。その際には、いつまで雇ってもらえるか、ずっと健康で働き続けられるかという問題があります。どちらのケースも、将来その時にならないとどうなるか分かりません。社会保障制度はすでに歪みがありますし、年金も今後増えるとは考えられません。そういう意味では、今の時点から老後資金を貯め始めることが大切です。
年金は実質目減りする
年金制度にはマクロ経済スライドというものがあります。これは、年金の支給額を物価や賃金の上昇率よりも低く抑えるための制度です。つまり、実質的に年金の支給額が減っていくことになります。ですので、将来的にはさらに追加で資金が必要になる可能性もあります。また、社会保障制度の負担額が年々増え続ける傾向にありますので、老後の収入は想像よりもずっと少なくなる危険性もあります。
今から老後資金を貯め始めましょう
老後資金は貯め始めるのが早ければ早いほどいいです。
私的年金を活用する
もしも公的年金だけでは不安に感じるようでしたら、確定拠出年金などの私的年金に加入するといいでしょう。私的年金は公的年金を補完するための制度ですので、税制上の優遇措置も受けることができます。老後資金の準備は、始めるのが早ければ早いほど将来受け取る金額が大きくなり、現在の積立額も少なくて済みますからオススメです。
運用する
お金を運用して老後資金を作るのも手です。銀行にお金を預けていてもお金はほぼ増えませんので、お金を積極的に運用することが大切です。運用方法には、投資信託、株式投資、不動産投資、様々なものがあります。老後資金は40年などの長期にわたって運用しますので、そこまでリスクを取らなくても、複利の力で大きなお金に化ける可能性が大きいです。
自分の人生を考える
あなたはどういう老後を送りたいですか??果たして65歳まで会社で働き続けたいですか?50歳ぐらいで早期引退したくないですか?
老後の資金を考えるというのは、自分の人生を設計することでもあります。自分がどんな人生を歩みたいのかを真剣に考え、それから逆算してお金を貯め始めることが大切です。老後の資金を考える前に、自分の将来について真剣に考え始めることが大切です。
まとめ
ここまで、老後の資金について解説してきました。やはり、老後というのはお金に苦労することなく健やかに過ごしたいものです。
あなたもこの記事を参考に自分の老後の資金額を計算し、今からお金を貯め始めてください!