やはり投資信託選びで一番悩むのが、どの投資信託を選ぶかでしょう。
実際、日本には5,000を超えるファンドが存在しており、その中から自分でファンドを選ぶのは至難の技と言えます。
しかし、今回あげる方法でファンドを絞り込めば、最終的に残るのはほんの数個のファンドだけになるでしょう。
今回はそんな投資信託の選び方についてまとめてみました。
(この記事は、過去に書かれた記事を2018年7月23日に加筆修正したものです。)
投資信託の正しい選び方
投資信託の選び方について見ていきましょう。
個別のファンドから決めない
投資信託を選ぶ際には、いきなり個別の商品であるファンドから選び始めてはいけません。
まずは、「国内株式」、「外国株式」、「国内債券」、「外国債券」といった資産クラスのどれに投資するかを決め、その後に個別のファンドを選んだほうがいいでしょう。
債券は比較的低リスクでリターンが小さく、株式はリスクが高い分、それだけリターンも大きくなります。
また、国内よりも外国のほうがリスクが高くリターンも高い傾向があります。
自分がどれぐらいのリスクを取れるかしっかりと考えた上で、どの資産クラスに投資する決めるようにしましょう。
シンプルなファンドを自分で組み合わせる
どの資産クラスに投資するか決まったら、次は資産クラスごとに個別のファンドを選んでいきます。
この際大切なのが、最初から複数の資産クラスに投資している「バランス型ファンド」に投資しないことです。
バランス型ファンドでは、実際にファンドが投資している資産の中身が分かりにくく、リスクの大きさに気付けない可能性があります。また、手数料も高くなりがちですので、注意が必要です。
ファンドを選ぶ際には、自分で資産クラス別に複数のファンドを組み合わせたほうがいいでしょう。
その際、特定の証券会社が扱っている商品からファンドを選ぶと、最適なファンドを選べなくなる可能性があります。
よって、ファンを選びの際には、ファンドを決めてから購入する証券会社を決めたほうがいいでしょう。
信託報酬の安いファンドを選ぶ
投資信託を購入する際に投資家にできることといえば、手数料が安いファンドを選ぶぐらいでしょう。
手数料は確実に投資信託の運用にマイナスのリターンを提供しますので、手数料を削減するというのはとても大切なことです。
手数料で注目すべきなのが「信託報酬」です。
信託報酬というのは、投資信託の保有額に応じてかかる手数料ですから、極力低く抑えたいものです。
同じ資産クラスのファンドを比較して、手数料が明らかに高いものがあったら、それだけで購入の選択肢から外すようにしましょう。
信託報酬は1%を切るようにして、できれば0.5%前後で探したいものです。
信託報酬を指定するだけで相当のファンドが選択肢から消えますが、そもそもファンドが多すぎることが問題ですので、気にしないようにしましょう。
ファンドの規模と流動性を確認する
ファンドの資産規模としては、大体100億円以上あるといいでしょう。
これより少ない資産規模だったり、ファンドが設定仕立てだったり、資産残高が減る一方のファンドについては購入しないほうがいいでしょう。
こういったファンドの場合、十分な分散投資がされず運用が安定しなかったり、途中で償還されてしまう可能性もあります。
また、ETFに投資する場合には、資産規模は当然として、流動性についても注意が必要です。
売買が活発に行われていて、いつでも換金できるか確認するようにしましょう。
購入時手数料が安い証券会社から買う
投資信託を購入する際には購入時手数料がかかりますが、この手数料というのは同じファンドであっても、購入する証券会社によって異なります。
よって、少しでも購入時手数料が安い証券会社を探して、購入するようにしましょう。
原則、投資信託を購入する際には、購入時手数料がかからない「ノーロード型」のものを選ぶようにしましょう。
投資信託を購入するたびに手数料を取られていたら、それだけ投資効率が落ちてしまいます。
分配金には特にこだわらない
最近、毎月分配型のファンドが人気があるようですが、これはお勧めできません。
というのも、信託報酬が高かったり、せっかくの運用収益を分配金という形で支払ってしまうので、ファンドそのものの投資効率が悪くなるからです。
また、毎月分配型ファンドに投資して毎月分配金を受け取るぐらいなら、普通に銀行に預金をして、毎月お金を引き出す方が税金がかからないため明らかに得になります。
長期で投資信託を運用する場合には、分配金はむしろ「お荷物」ですので、分配金にこだわらずファンドを探すようにしましょう。
過去の運用成績で選ばない
投資信託を選ぶ際には、過去の運用成績を元にして選びがちです。
ただし、過去の運用成績が優れているからといって、これから先も優れた運用成績を上げるとは限りません。
ある年に投資信託の運用成績トップに入ったファンドでも、翌年には成績がマイナスに転じているのが普通です。
過去の運用成績はあくまで参考程度に見て、むしろ手数料の安さや資産規模などでファンドを判断するようにしましょう。
投資信託の選び方のまとめ
ここまで、投資信託の選び方について見てきました。
おそらくここに挙げた方法でファンドを絞り込むだけで、日本の約5,000ほどあるファンドが数十本まで絞り込めると思います。
あとはこの中から、あなたが投資したいファンドを選べばいいのです。
それにしても、多くのファンドが「投資するに値しないファンド」だというのは、すごく面白いですよね。
それだけ日本にあるファンドが投資家目線ではなく、証券会社や銀行目線で作られている証拠でしょう。