「ワラント債」という言葉を、初めて聞いた人も多いと思います。
ワラント債は、どちらかというと機関投資家などのプロが投資するもので、個人投資家が投資する機会は滅多にありません。
この記事では、ワラント債の基本を解説していきますので、投資の知識の一つとして理解しましょう。
(この記事は、過去に書かれた記事を2018年7月11日に加筆修正したものです。)
ワラント債の基礎知識
ワラントの意味
「ワラント」という言葉は英語の「warrant」から来ており、日本語に直すと「新株予約権証券」といいます。
つまり、ワラント債は「新株予約権付社債」ということになります。
株式を購入できる社債
ワラント債を簡単に説明すると、「あらかじめ決められた期間に、株式を一定の価格で購入できる権利」が付いた社債です。
ワラント債と似た商品に「転換社債」がありますが、転換社債の場合には、社債と引き換えに株を入手でき、追加の支出は発生しません。
一方、ワラント債には株の購入権利がついているだけで、実際に株を購入するときには、株の購入費用を自分で支払う必要があります。
ワラント債の2つの特徴
「社債」と「ワラント」と切り離される
ワラント債が発行されると、多くの場合、通常の「社債」部分と新株購入権の「ワラント」部分が分離され、それぞれ別々に売買されます。
分離した社債部分はポンカス債と呼ばれ、普通の社債と同じように、保有中は定期的に利息を受け取ることができます。
なお、社債とワラントを分離できない非分離型ワラント債というものもあります。
株価が上がると儲かる
ワラント債は、あらかじめ決められた価格よりも実際の株価が上がれば、ワラントを行使することで利益を上げることができます。
ワラントを行使して株を安く買い、市場で高く売れば、差額が利益となります。
また、株価が望む水準に満たない場合には、ワラントを行使しなければいいのです。
企業にとってのワラント債
ワラント債は、企業にとっても発行するメリットがあります。
低金利で資金を調達できる
ワラント債は、通常の社債に加えて「ワラント」というメリットが付いているので、その分だけ低い金利で発行することができます。
企業にとっては、それだけ金利負担を少なくすることができます。
ワラント債のまとめ
ワラント債に投資することは滅多にないと思いますが、投資全般の知識を身につける意味で、しっかりと内容を理解しておきましょう!