すでに土地を持っている人の中には、相続税対策で新築アパートの建設を考えている人もいるでしょう。
また、普通のサラリーマンでも、メンテナンスや空室の心配がほとんどない新築アパート投資が人気だったりします。
今回は、そんな新築アパート経営について、リスクとその対策を中心にまとめて見ました。
新築アパート経営の基本
まずはアパート経営の基本から見ていきましょう。
新築アパート経営とは??
新築アパート経営とは、自分がすでに持っている土地や、新たに土地を購入して、そこに新築アパートを建設して賃貸経営をすることをいいます。
中古のアパートを購入するのとは違い、一から建物を建てますので、投資金額も大きくなります。
ですが、成功すれば最初の10年間は「新築」のブランドで空室にはほどんど困りませんし、修繕やメンテナンス費用もかからないため、安定して経営することができます。
新築アパートの怖いところは、まだ建物が建っていないため、実際に入居者が入居するかどうか分からないことでしょう。
ですので、事前に新築アパートのリスクを理解し、その対策を立てておくことが重要です。
新築アパートは相続税対策になる
実は、ある土地に建物を建てると、相続税の特例の一つである「小規模宅地等の特例」が適用されるため、相続税を少なくすることができます。
この特例は、建物や建築物がある土地は、一定の範囲内で相続税の評価額を減額することができます。
イメージとしては、何も建物がない土地は100%で評価され、アパートなどがあると50%の評価になるようなイメージです。
また、新築アパートを建てるには銀行からローンを借りることになりますが、このローンも債務として相続税の計算上で相続財産から差し引くことができ、節税ができます。
マイナス金利でローンを借りやすい
マイナス金利というのは、銀行などの金融機関が日銀にお金を預けると、利息がもらえるはずが逆に利息を取られる状態のことをいいます。
金融機関としては余剰資金が生まれますから、必死になって融資先を探していることになります。
その際、不動産への融資というのは、土地を担保に取れるのでリスクが少ないため、金融機関も融資に乗り出しやすいのです。
そんなこんなで、現状は比較的ローンが借りやすい状況にありますので、少々返済に不安が残る物件でも銀行から融資が出る可能性があり、少し心配が残るところです。
新築アパート経営のリスク
ここからは、新築アパート経営が抱えるリスクについて見ていきます。
人口減少による過剰供給
現在、日本は人口減少社会に入り、少子化や都市部への人口集中などの影響で、賃貸住宅への「需要」は少なくなっています。
一方で、新築アパートやマンションが相続税対策のために次々と建てられたため、「供給」の面では供給過多になっています。
つまり、需要が減る一方で供給が増えているのですから、賃貸住宅全般で空室が目立ったり、家賃が下がることになります。
不動産市況がこのような状況にあることを、しっかりと認識しましょう。
家賃保証のリスク
よく新築アパートなどで聞く話に「家賃保証」というものがあります。
これは、契約期間中は空室分の家賃を保証してくれる制度ですが、実は家賃の金額は保証されていないのです。
よって、契約当初は保証家賃が高いですが、だんだんと築年数が経過するごとに家賃が下がっていく傾向になります。
大家側から家賃の値上げを要求しても、最悪、家賃保証の契約を解除されてしまう危険性がありますから、大家としては泣く泣く安い家賃で我慢することになります。
新築アパートで成功するために大切なこと
ここからは、新築アパートを成功させるために、知っておきたいことをご紹介します。
立地を検討する
新築アパートを建築する際に大切なのが、立地を検討することです。
当たり前の話ですが、人口が集中する都心部や、大企業の本社がある地域などの立地を選んでアパートを建設することで、それほど入居付けに苦労せず、賃貸経営を進めることができます。
自分で土地を持っている人は、今ある土地を売って、賃貸需要のある地域の土地を買うぐらいの勢いで行動しないと、今の時代は賃貸経営で生き残るのは難しいでしょう。
入居ターゲットを明確にする
新築アパートを建築する際に大切なのが、入居者のターゲットを絞ることです。
もはや普通のアパートでは、他の同様のアパートと嫌でも競合することになりますので、しっかりとターゲットとする層に合わせてコンセプトを打ち立てることが大切です。
最近では、バイク乗りのために部屋にバイクを置ける物件や、音楽好きのために部屋が防音になっている物件もあります。
事前に収支計算をする
アパート経営を始める前に大切なのが、収支計算をすることです。
業者から出された見積もりを鵜呑みにせず、自分の手で実際の費用を見積もって計算することが大切です。
賃貸経営をするには、管理料やローンの支払いだけでなく、定期清掃料や固定資産税、さらには所得税などの費用がかかってきます。
そういった費用を全て綿密に計算した上で投資をするようにしましょう。
まとめ
現在は、賃貸経営にとっては向かい風の状況となっています。
本気で賃貸経営を進めている大家と、それ以外の大家との間で大きな差がつくと予想されます。
あたなもぜひ、積極的に情報収集して、賃貸経営を成功に導くようにしましょう。