ラップ口座・ファンドラップ

ラップ口座とは?ラップ口座をおすすめできない理由を解説します

最近、ラップ口座の人気があるようです。

ラップ口座というのは、証券会社に全ての資産運用を委ねるサービスのことをいいます。

今回はそんなラップ口座について解説していきます。

ラップ口座の基礎知識


まずはラップ口座の基本から押さえましょう。

ラップ口座とは

ラップ口座とは、個人投資家が証券会社や銀行と契約を結び、資金の運用・管理、そして投資のアドバイスまでを一任するサービスです。

より詳しく説明すると、証券会社より投資戦略やポートフォリオの提案を受け、個人投資家と証券会社が「投資一任契約」を結び、証券会社が投資家の代わりに資産運用を行うことをいいます。

ラップ口座の歴史

ラップ口座はアメリカで1970年代から普及し始めました。口座の管理が簡単で、しかも運用益も安定しているため、個人向けの資産運用サービスとして使われてきています。

そして日本では、2004年の法改正によりラップ口座が広がり始めました。

2016年の6月末時点で、ラップ口座の残高は5兆7596億円にも及びます。また、ラップ口座数は50万1977件と過去最高を記録しています。

投資のプロに運用をお願いできる

ラップ口座を利用すれば、投資のプロである証券会社に資産運用をお願いすることができます。

現代では金融商品が多様化し複雑化しているため、投資家側で投資判断を行うのが困難になりつつあります。

ラップ口座を使うことで、投資対象を選んだり、自分でタイミングを見計らって取引を行う必要がなくなるため、手間をかけることなく投資を進められます。

投資家に合った適切な運用が行われる

ラップ口座では、投資家の投資目的と許容されるリスクの大きさに合わせて運用が行われます。

そのため、自分のライフプランや経済状況に合わせた適切な運用を行うことができます。

売買手数料がかからない

ラップ口座で実際に投資した場合には、売買手数料が一切かかりません。

その代わりにラップ口座そのものに手数料がかかります。その手数料は2%前後のところが多いです。

資金は数百万円以上必要

ラップ口座のサービスが始まった当初は数億円が最低投資金額でしたが、最近では300万円〜500万円で投資を始められる証券会社も増えてきました。

顧客の資産を使ってリスク分散をするわけですから、最低これぐらいの金額が必要なのでしょう。

 

ラップ口座のデメリット


Hold me

ラップ口座は一見メリットばかりに思えますが、実はデメリットの方が多いのです。

手数料が高すぎる

ラップ口座の最大のメリットが、手数料が高すぎることです。

ラップ口座では売買手数料は無料となりますが、ラップ口座そのものにかかる手数料を支払う必要があります。

手数料は証券会社によって異なりますが、だいたい総資産の2%前後が多いようです。

また、投資信託に投資している場合には別途信託報酬がかかりますので、手数料はさらに高くなります。

自分で運用した方が儲かる

もしも自分で投資信託を選ぶことができるのなら、ラップ口座で運用するよりも自分で運用した方が圧倒的に大きなリターンを得ることができます。

ラップ口座では最低2%前後の手数料がかかるわけですから、リターンが常に「マイナス2%」からスタートすることになります。

投資において「2%」を稼ぐのは非常に大変なことです。

高い手数料が引かれるラップ口座は、自分で資産運用できる人には向いていないのです。

ラップ口座は証券会社が儲けるためにある

証券会社がラップ口座に力を入れる理由としては、不適切な金融商品への誘導や投資信託の頻繁な勧誘に対する金融庁の姿勢が厳しくなってきているからです。

そこで、証券会社は次の手段としてラップ口座に目をつけたのです。

たしかにラップ口座では売買手数料が無料となりますし、適切な資産運用がされる可能性もありますが、やはりラップ口座のみに2%前後の高額な手数料を支払うのは高すぎます。

ラップ口座に投資する際には、手数料によく注意するようにしましょう。

手数料の高い商品に投資させられる

ラップ口座で運用される商品は、手数料が安く証券会社にあまり利益が入らない商品よりも、証券会社により多くの利益が残る、手数料の高い商品が選ばれるインセンティブがあります。

そもそも投資家と証券会社の利益は相反するものであるため、ラップ口座で本当に投資家のためになる商品が運用されるかどうかは微妙なところです。

ファイナンシャルリテラシーが身につかない

そもそも投資は自分で運用するのが基本であり、それを第三者に任せるのは非常に良くありません。

第三者に運用を依頼していると、いつまでたっても自分のファイナンシャルリテラシー(お金の知識)が身につきません。

会社の給料や年金制度では明らかにお金が不足するこれからの時代、今まで以上に高いファイナンシャルリテラシーがないと一生お金に苦労することになります。

お金の運用は、あくまで自分の分かる範囲で行うようにしましょう。

 

ラップ口座の流れ


ここからは、ラップ口座の流れについて解説していきます。

投資家へのヒアリング

まずは証券会社が投資家から資産運用の方針を伺い、目標や許容できるリスクの大きさなどを判断します。

運用方法の提案

ヒアリング結果に基づき、証券会社より投資家に運用方法や資産配分の提案があります。

投資一任契約の締結

提案内容で納得した場合には、証券会社と投資家の間で投資一任契約を結びます。

資産運用

証券会社は投資一任契約に基づき、資産運用を行います。

運用報告

証券会社は四半期に一回、運用報告書を作成し、投資家に対し運用状況の報告をします。

運用の見直し

市場環境の変化があった場合には、証券会社より運用方法見直しの提案があります。

また、価格変動により資産配分が変わってしまった場合には、証券会社側でリバランスを行なってくれます。

 

まとめ


ラップ口座は一見するとメリットしかないように思えますが、実は投資家にとってはデメリットしかない運用方法なのです。

もしもラップ口座を検討しているのなら、ぜひ自分の力で資産運用する方法を考えてみてください。

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