投資信託や不動産投資の勉強をしていると、J-REITという単語をたまに目にします。
こちらでは、そんなJ-REITについて見ていきます。
J-REITってなに?
J-REITの由来
J-REITという単語を、「J」と「REIT」にばらして考えてみましょう。
まず、「REIT」ですが、「Real Estate Investment Trust」の略称です。
日本語に訳すと、「不動産投資信託」となります。
J-REITは投資信託の一種なんです。
また、「J」という単語ですが、これは日本(Japan)の「J」を取ったものです。
つまり、J-REITは日本の不動産投資信託ということになります。
J-REITの基礎知識
J-REIT仕組み
J-REITは、多くの投資家から集めた資金を使い、オフィスビル、商業施設、マンションなどの不動産を購入し、その賃貸収入等を投資家に分配します。
一般的にREITは、「投資法人」という法人を作って、不動産への投資と運用を行います。
この投資法人は、法律により不動産を運用するなど実質的な業務をすることが禁止されています。
なので、不動産の運営は全て外部に委託しています。
委託先としては、資産運用の業務をする運用会社、資産の管理をする資産保管会社、一般事務を行う事務受託会社があります。
その委託先の中でも重要なのが、資産運用会社です。
不動産の選定や、運営、資金調達など、投資法人が必要とするほとんどの業務を行います。
J-REITの分配金
J-REITの決算の際、投資家に対して支払われるお金を分配金と言います。
J-REITの多くは年2回決算を行いますので、年2回分配金を受け取れることになります。
ただし、決算の内容によっては、分配金が支払われないこともあります。
また、基本的にJ-REITは、収益の90%超を分配するなどの条件を満たせば、法人税が課税されません。
よって、一般的な企業の株式の配当金と比べ、より多くの分配金をもらえることが期待できます。
J-REITの解約
もしも投資家からREITの解約の依頼があった場合、その度に保有する不動産を売却してお金を捻出するのは、非常に困難です。
そのため、J-REITでは基本的に解約には応じません。
ですが、J-REITは証券取引所に上場されており、市場で株式と同様に売買されています。
J-REITを解約したい場合には、市場で売却することができるのです。
J-REITのメリット
より高い分配金をもらえる可能性がある
J-REITは、収益の90%超を分配するなどの条件を満たせば、基本的に法人税が課税されません。
なので、株式の配当金と比べ、より多くの分配金をもらえる可能性があります。
複数の不動産を購入し分散投資できる
個人が複数の不動産物件を買うのは、資金の都合上、非常に困難です。
一方、J-REITの場合には、投資家から集めた資金を利用して複数の不動産を購入します。
よって、個人で不動産物件を買う場合と比べ、空室リスクや地域の偏りなどのリスクを分散することができます。
「プロ」に運用を任せられる
J-REITでは、不動産の売買や管理運営を全て経験豊富な「プロ」が行います。
よって、個人で不動産物件を所有する場合と比べ、物件にかかわる手間ひまを削減することができます。
少額から気軽に投資が始められる
個人が不動産投資をする場合には、数千万円から数億円のローンを銀行で組んだり、不動産仲介業者と何度も打合せするなどの手間ひまが掛かります。
一方、J-REITの場合には、購入前に綿密に投資方針等を検討する必要はありますが、個人で不動産物件を買う場合と比べ、少ない手間ひまで買うことができます。
J-REITのまとめ
ここまでJ-REITの内容について見てきました。
J-REITは、比較的少ない手間ひまと資金で、不動産物件の一部に投資することができます。
ただ、個人的にはJ-REITは不動産投資ではなく、あくまで投資信託の一種と考えるのが妥当だと思います。
というのも、個人でする不動産投資と比べ、銀行ローンを利用することによるレバレッジが利きませんし、長期間保有しても自分の持ち分が増えないからです。
個人で不動産を買った場合は、ローンを返済するにつれてローンの残額が減るので、その分自分の持ち分が増えます。
よって、投資信託のリスク分散先の一つとしてJ-REITを利用したほうが良いと思います。
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