不動産投資を始めようとして物件を探していると、未公開物件という物件に出会うことがあります。
未公開と聞くと、他の投資家も知らないようなすごい物件のような気がして、とても興味を惹かれますよね。
しかし、そもそも未公開物件というのは、本当にいい物件なのでしょか??
そこで、今回はそんな未公開物件について、解説していきたいと思います。
未公開物件とは??
それでは早速、未公開物件の基本的な内容を抑えましょう。
市場に公開されていない物件
未公開物件というのは、文字通り「市場にまだ公開されていない物件」のことです。
ここでの市場というのは、不動産業者だけが見ることができる不動産情報サイトのREINS(レインズ)のことを意味します。
つまり、REINSに載っていない物件のことを未公開物件というのです。
どうして未公開にできるの??
一般的に売りに出ている物件というのは、REINSに掲載されることになっています。
では、どうして未公開物件というのはREINSに掲載されないのでしょうか??具体的に見ていきましょう。
一般媒介契約のため
まず一つ目の理由としては、不動産を売りに出す際の媒介契約が一般媒介契約の場合が考えられます。
媒介契約というのは、売主と買主の間に不動産仲介会社が入り、仲介をしてくれる契約のことを言います。
その媒介契約の中でも一般媒介契約というのは、売主側は何社にでも物件の売却の依頼ができる代わりに、不動産会社はREINSに物件情報を掲載する義務がありません。
よって、REINSに掲載されない以上、市場にその物件の情報が流通することはないのです。
媒介契約の直後のため
媒介契約のうち、専任媒介契約と専属専任媒介契約の場合は、REINSに情報を掲載する必要があります。
しかし、この契約を締結してから即REINSに物件情報を掲載する必要はなく、一定期間内に物件情報を掲載すればいいのです。
よって、媒介契約を締結してからREINSに掲載するまでの間は、その物件の情報は非公開扱いになります。
意図的に非公開にしているため
こちらは完全に違反行為ですが、実際にはREINSに掲載する義務があるにもかかわらず、意図的に物件を掲載しないことが多くあります。
その理由は、自社で物件を売却することができれば、売主と買主両方から仲介手数料がもらえるからです。
一方、REINSに掲載して他社が物件を仲介してしまうと、もらえる手数料は売主からの仲介手数料のみになってしまいます。
このように、より多くの仲介手数料をもらうために、意図的にREINSに物件情報を公開しないことも多くあります。
売主の意向があるため
売主が物件の売却を非公開で行いたい場合もあります。
例えば、入居者に知られることなく、裏でひっそりと物件を売却したい大家さんもいるようです。
こういった背景で非公開になっている物件というのは、市場価格と比べて物件価格が低くなる可能性が高くなるようです。
未公開にした時の売主・業者側のメリット
物件情報を非公開にすると、業者側にはどういうメリットがあるのでしょうか??
物件にプレミアム感を出せる
未公開にすると物件そのものにプレミアム感を出せます。
買い手の立場からすると、市場に出ていない情報を紹介してもらったという理由だけで、その物件に対してプレミアム感を感じてしまうものです。
そのため、物件の本来の価値以上の価格でも購入を検討してしまう可能性があります。
仲介業者としても、少しても高い仲介手数料を得るために、このプレミアム感を前面に押し出して物件を高値で売ろうとするでしょう。
より多くの仲介手数料をもらうため
不動産仲介業者としては、自社で買主を見つけた方が仲介手数料を売主・買主双方からいただけますので、儲かることになります。
よって、なるべく他社が物件を仲介できないように自社で物件情報を抱え込み、自分で買主を探そうとします。
フルローンが組めるようにするため
未公開物件ということは、ある意味物件の価格は仲介業者が自由に決めることができます。
よって、グレーなやり方でフルローンやオーバーローンを組む場合には、未公開物件がもってこいな部分があります。
フルローンやオーバーローンを全面に押し出せば、高い価格で物件を売却できたり、銀行紹介手数料がもらえたり、業者としては多くのメリットが享受できます。
未公開物件はいい物件なの??
ここまで、未公開物件について色々見てきました。
結論、果たして未公開物件は得なのでしょうか??
どちらも場合もある
未公開物件は得なのか、それとも損なのかと聞かれると、どちらの場合もあるという回答になります。
以下、それぞれのケースについて考えてみました。
いい物件の場合
未公開物件が本当にいい物件だった場合には、得することになります。
優秀な不動産会社というのは、営業力が高く、物件を安い価格で仕入れる
ことができます。
そして、安く仕入れた物件の情報を、自社が抱えている顧客にすぐに流します。
REINS掲載前に買い手が無事見つかれば、不動産会社は双方から仲介手数料がもらえ、買い手も安く物件を変えたわけですから、win-winの関係になります。
悪い物件の場合
未公開物件が悪い物件のこともあります。
この場合、業者としては「未公開」のプレミアム感を前面に押し出して、少しでも高い値段で物件を売ろうとします。
また、無理にフルローンが組めるようにして物件価格を釣り上げようともします。
悪い物件を見極める際に重要なのが、しっかりと物件の収支を計算することと、物件を実際に見ること、この基本を守ることです。
まとめ
以上、未公開物件について見てきました。
やはり、未公開物件と聞くと、自分しか知らない物件だと勘違いして、ついついその物件が良い物件のような気がしてしまいます。
しかし、こんな時こそ基本に戻ることが大切です。
つまり、しっかりと物件の収支を計算することと、物件を見に行くことです。
この基本さえブラさなければ、最良の物件を見つけることができるでしょう。