不動産投資を始める際に重要なのが、購入予定の物件の収支をあらかじめ計算することです。
この収支計算でマイナスになる物件はそもそも購入すべきではないですし、期待した収益を生まない場合にも当然購入すべきではないでしょう。
今回は、そんな不動産投資の収支予測のうち、「費用」について解説したいと思います。
不動産投資における費用の概念
早速、不動産投資で収支計算をする際に考慮に入れるべき費用について説明していきます。
費用の基本的な考え方
不動産投資を始めようとして仲介業者から物件を紹介してもらうと、販売図面(マイソク)とともに、収支計算の資料ももらうことがあります。
その収支計算資料ですが、あらゆる費用の想定が甘すぎることが多いです。
なぜなら、仲介業者というのは実際に不動産の運営をしているわけではなく、ただ単純に物件の売買の仲介をやっているに過ぎないからです。
よって、仲介業者からの収支計算を鵜呑みにして物件を購入すると、想定しなかった費用が発生して、思わぬ落とし穴にはまることになります。
ですので、いかに事前に費用の見積もりをするかが大切になります。
実は私自身も、買う一歩手前までいった物件の費用の見積もりが甘すぎることが発覚し、急遽購入を見送ったことがあります。
今思うと、その物件を買っていたら大変なことになっていたと思います。事前に気付けて本当に良かったです。
仲介業者というのは、とにかくあなたに物件を購入してもらいたいので、物件の良い点しか説明してくれません。
一方のあなたは、「投資家」としてしっかりとその物件の費用を分析し、冷静に判断していくことが大切です。
つまり、不動産投資においては、自分できちんと収支計算をすることがなによりも大切です。
業者に言われるがままに購入するのは「ギャンブル」と同じでしょう。
不動産投資における費用の種類
それでは早速、不動産投資における費用の種類について、具体的に解説していきます。
賃貸管理費
こちらは、入居者の対応を管理会社に任せる場合の費用です。
具体的には、入居者の募集から契約、月々の家賃の回収、退去時の対応、その他入居者からのクレーム対応等を行います。
毎月の賃貸収入の3〜5%ほどかかります。
ちなみに、管理費を浮かせるために賃貸管理の一部を自分でやるのも手です。
しかし、これから何棟も不動産を購入する予定の方やサラリーマンの方は、管理会社に任せてしまった方が自分の時間を有効に活用できます。
不動産収入を不労所得化するポイントが、管理会社に一任するというところです。
建物の維持費用
物件の建物の全体の管理にかかる費用です。清掃料や消防点検、共用部の水道光熱費等の費用が当たります。
この費用については、仲介業者に頼めば、過去のその物件の維持費用を出してもらえます。
火災保険料
建物全体にかける火災保険料も費用として考慮に入れる必要があります。
火災保険料の見積もりについては、融資を受ける際に銀行から出してもらったり、仲介業者に頼めば出してもらえます。
各種税金
不動産には、毎年、固定資産税と都市計画税がかかります。
金額については仲介業者から聞くようにしましょう。
修繕費
建物の経年劣化や、その他設備の不具合の際に発生する費用です。
通常、不動産では10年に一回、大規模修繕と言って外壁の塗装、屋上の防水工事、給排水管の交換などが行われます。
この費用について、毎月の家賃収入のうち何%かを積み立てておくのがいいでしょう。
また、築年数が経過すると思わぬ故障で急遽修繕が必要になることもあります。
ある程度の余裕を持って修繕費用を見込んでおきましょう。
あくまで目安ですが、自分で修繕費用を積み立てる場合、建物価格の0.5%~1%を毎年積み立てる必要があると言われています。
原状回復費用
入居者が退去した後に、入居前の状態に戻すためのリフォーム費用のことです。
募集費用
入居者が退去した際に、再度新しい入居者を募集するためにかかる費用です。契約の都度、賃料の1〜2か月分を管理会社に支払います。
その他費用
その他の費用として、例えば電球の球を交換したり、細かい消耗品を交換した際に発生する費用があります。
費用のまとめ
ここまで、物件を実際に運用している場合に掛かる費用について解説してきました。
毎月掛かる費用(賃貸管理費等)を除いた費用については、毎月費用が掛かるものとして換算し、積み立てるようにしましょう。
将来発生する可能性のある費用をあらかじめ積み立てることで、突然出費が発生しても、安心して対応することができます。
そもそも不動産投資の優れている点は、あらかじめ発生する費用が予測可能なところです。
このメリットを最大限に生かし、毎月少しずつ費用を積み立てていくことで、安定した不動産経営を行うことができるのです。
不動産投資における費用のまとめ
以上、不動産投資における費用について見てきました。
不動産投資で多いのが、購入したあとに予想外の出費が発生することです。
ですので、あらかじめ予測される費用を全て挙げ、その費用を毎月積み立てるようにすればいいのです。
こうすれば、突然の出費の際にも動じず、安心して不動産経営を行うことができます。