投資について調べていると、投資信託の積立投資(積立投信)という言葉を耳にしないでしょうか?
意外と多くの人が積立投資に興味を持っていますが、実際に投資している人はあまりいないのではないでしょうか?
今回は積立投資の基本的な内容と、そのメリットについて解説していきます。
投資信託における積立投資の基礎知識
まずは、投資信託の積立投資の基本について押さえましょう。
投資信託の積立投資とは?
投資信託の積立投資とは、毎月決まった日に、決まった金額を金融機関の口座から自動的に引き落とし、投資信託の購入を行う投資方法です。
積立投資の申し込みをするには、事前に証券会社で手続きをする必要があります。
ネット証券を利用すれば、インターネットで積立投資の手続きができますので、あとは引き落とし日の前日までに指定口座にお金を入金しておけばいいのです。
一度積立投資を設定すれば、あとは全て自動的に投資信託の購入が行われますので、非常に手離れがいい投資手法といえます。
積立投資は至るところで見られる
積立投資と聞くと、最初は「自分にできるのか」と身構えてしまう人もいるかもしれません。
しかし、実は積立投資は日常のさまざまな場面で見られるのです。
例えば、将来に備えて給料の中から毎月コツコツ貯金をしている人がいると思いますが、これも れっきとした積立投資なのです。
また、サラリーマンだったら国民年金と厚生年金に加入していると思いますが、これも毎月の給料から自動的に保険料が天引きされていますよね。
半ば強制的に取られているとはいえ、これも積立投資なのです。
ですので、積立投資に抵抗感がある方も、毎月将来に備えてコツコツ投資をしているという認識を持てば、比較的積立投資を受け入れやすいのではないでしょうか?
投資信託における積立投資のメリット
ここからいよいよ投資信託の積立投資のメリットについて見ていきます。
積立投資には大きなメリットがあるのです!
小額から投資できる
投資信託の積立投資のメリットは、何といっても小額から投資できることです。
多くの人が、投資と聞くと数十万円~数百万円ものお金が必要だと思っているでしょう。
しかし、最近では「1万円」や、もっと少なく「500円」からスタートできる積立投資も現れてきています。
このような小額なら、思い切って投資を始めようと考える人も多いのではないでしょうか?
また、小額から投資できるということは、その分色々な投資信託に分散して投資ができるとも考えられます。
例えば、3本の投資信託に分散投資をしたいとして、一本の投資信託が数百万円もしたら、3本もの投資信託に投資するのは資金的にかなり厳しいですよね。
しかし、積立投資によって例えば1万円から投資できるとすると、たった3万円で3本の投資信託に分散投資できるのです。
サラリーマン家庭のように、大きな貯金はないが毎月一定額の収入(給料)がある人にとって、投資信託の積立投資はとてもおすすめな投資方法だと思われます。
毎月自動的に投資を続けられる
投資信託の積立投資の2つ目のメリットとして、毎月自動的に投資できることが挙げられます。
積立投資を利用しないで投資しようとすると、ネット証券だったらわざわざパソコンを立ち上げて投資信託を購入したり、実店舗の場合には金融機関の窓口まで毎回行って購入する手間が掛かります。
これを毎月続けようと思ったら、かなり面倒で手間がかかります。
ですので、積立投資を利用することで面倒な手間や余計な時間も掛かりませんし、買い忘れを防ぐことが可能になります。
また、「投資をしていることを忘れられる」ということも大きなメリットの一つです。
どういう事かというと、投資をしていることを忘れることで、「感情」を排して機械的に投資を継続できるということです。
やはり、人間は市場の乱高下に感情的に反応してしまい、合理的でない投資判断をしがちです。
例えばリーマンショックで株式市場が急下落したとき、多くの投資家がパニックを起こし、株や投資信託を売りに走りました。
しかし、本来、株式市場が下落しているということは「バーゲンセール」状態ですので、むしろ株や投資信託を買い漁らなければならない時期なのです。
でも、多くの投資家は「恐怖」という感情に抗えず、それとは逆の行動に走りました。
そういう意味で、積立投資を利用することで、こういったチャンスの時にも機械的に投資信託の購入ができますので、より望ましい投資成果を得ることができるのです。
ドルコスト平均法が使える
投資の勉強をしていて、一度は「ドルコスト平均法」という言葉を聞いたことがないでしょうか??
投資信託の積立投資を利用することで、ドルコスト平均法の恩恵を受けることができるのです。
ドルコスト平均法とは、常に「一定の金額」で購入をすることで、購入単価を引き下げる投資手法です。
投資信託の基準価額が「高い」ときは「少しだけ」購入し、投資信託の基準価額が「安い」ときは「より多く」購入することになります。
その結果、投資信託の購入単価は引き下げられ、一括で投資信託を購入した場合よりも安く投資信託を購入できることになります。
例えば、毎月10,000円、投資信託Aの積立投資をしているとします。
以下①と②のように投資信託Aの値段が上下した場合を考えてみます。
①Aの基準価額が1,000円のとき・・・10口分購入。(=10,000円÷1,000円)
②Aの基準価額が5,000円のとき・・・2口分購入(=10,000円÷5,000円)。
①のときと②のときの購入単価を平均すると、平均購入単価は約1,667円となります。
どうしてこんなに購入単価が低くなるのでしょうか??
その理由は、毎月10,000円という一定額で購入しているので、価格が安いときはより多く、価格が高いときはより少なく買うことができるからです。
一方で、Aの投資信託を「一括購入」した場合を考えてみます。
この場合、①のときに購入できたら購入単価は1,000円と安くなりますが、②のときに購入してしまうと購入単価が5,000円になってしまい、高値掴みしてしまいます。
実は、市場で常に安い値段で買おうとするのはプロでも非常に難しいです。
ですので、一括購入でドルコスト平均法よりも安く購入単価を維持するのは至難の業でしょう。
このように、ドルコスト平均法であれば一括購入の高値掴みのリスクを減らすことができ、かつ購入コストも抑えることができるのです。
より安く購入できたということは、投資信託が値上がりして売却した際、より多くの利益を得られるということです。
投資信託における積立投資のまとめ
以上、投資信託における積立投資について説明してきました。
積立投資は投資初心者でも気軽に始めることができ、しかも忘れているうちにとんでもない金額になっていますので、とてもおすすめな投資手法です。
毎月銀行に貯金をするぐらいなら、毎月自動的に口座引き落としで積立投資をした方が、手間もかかりませんし、大きな利回りも狙っていけます。
かくいう私も積立投資を入社1年目の時からしていますが、いまではなかなかの金額になっています。
この積立投資で私がやっていることといえば、たまに運用成績を見てニヤニヤするぐらいです。
それぐらい手離れがいい投資信託の積立投資ですので、積立投資をしつつも別のアグレッシブな投資に「専念」できるメリットもあります。
これからの時代、自分の将来の蓄えは自分の力でしないといけませんので、しっかりと明確なプランを持って投資にのぞみましょう!