あなたは「サブリース」をご存知でしょうか?
サブリースとは、自分の所有する不動産を丸ごと業者に貸し出し、空室の有無にかかわらず家賃を得る契約のことをいいます。
オーナーとしては、空室リスクを一切に気にせず不動産経営が行えるため、非常にメリットが大きいといえます。
ところが、サブリース契約には「大きな落とし穴」があります。この落とし穴を見逃していると、あとあと痛い目にあいます。
この記事では、そんなサブリース契約の注意点と解約時のトラブルを中心に解説していきます。
(この記事は、過去に書かれた記事を2018年9月19日に加筆修正したものです。)
サブリース契約とは
サブリースとは
サブリース契約とは、サブリース会社がオーナーから一括して部屋を借り上げ、その対価として毎月一定の家賃をオーナーに支払う契約です。
サブリース会社は、一括で借り上げた部屋をそれぞれ入居者に貸し出し、家賃を得ます。そして、得られた家賃から一定の手数料を抜いたものを、オーナーに支払います。
たとえ入居者が入らなくても、また入居者が家賃を滞納しても、オーナーには毎月一定の家賃が支払われる仕組みです。
参照:エイブル保証株式会社
空室の心配をしなくていい
サブリース契約を結ぶことで、オーナーは空室の有無に関わらず、毎月一定の収入が得られるようになります。
また、入居者の募集から集金、退去、そして物件の管理までを全てサブリース会社が行ってくれますので、オーナーは全く手間をかけることなく不動産経営ができるようになります。
サブリース契約を結ぶ前に気をつけたいこと
保証料を確認しておく
サブリース契約を結ぶ際には、保証料の内容をよく確認するようにしましょう。
保証料とは、物件の収入からサブリース会社の手数料を引いたもので、オーナーに毎月支払われる金額のことをいいます。
保証料は、サブリース会社によってまちまちですので、何社か見積もりを取って、保証料の高いサブリース会社と契約すると良いでしょう。
ここで注意したいのが、保証料は永久に同じ金額であるとは限らず、築年数が経過するにつれ徐々に下がっていく傾向があるということです。
保証料の減額がオーナーとサブリース会社で折り合わず、トラブルになることもよくあります。
法律上、サブリース会社は借主となるため、オーナーよりも有利な立場にあり、安易に保証料の減額を断れません。
サブリース会社からの減額要求を断ると、サブリース契約を一方的に打ち切られる可能性もあります。
保証料の改定やサブリース契約の内容については、よく確認しておきましょう。
解約金を確認しておく
サブリース契約では、解約金も非常に重要です。
オーナー側の都合でサブリース契約を解約する際、サブリース会社の中には、法外な解約金を請求するケースも見受けられます。
解約金の金額と解約条件についても、よく確認しておきましょう。
修繕費用やリフォーム費用を確認する
サブリース契約を結んだからといって、物件の修繕費用や入居者が退去した時のリフォーム費用は、全てオーナー負担です。
この費用負担を巡ってトラブルになることが多くありますので、費用負担についてサブリース会社とよく話し合いをしきましょう。中にはサブリース会社指定の業者でないと、修繕やリフォームが実施できないこともあります。
こういった業者は、工事費用が割高に設定されていることがあったり、指定された業者以外で工事を行うと、サブリース契約を解除されてしまうこともあります。
修繕費用や工事業者の指定等について、念入りに確認しておきましょう。
免責期間があることも
新築物件でサブリース契約を結ぶと、入居者がいるのに保証料が振り込まれない「免責期間」が定められていることもあります。
免責期間は、入居者がすぐに入居しないことに備えたものですが、入居者が一番入りやすい新築物件で免責期間を設けられると、大きな機会損失となります。
免責期間の有無も、確認すべき重要なポイントです。
入居者の情報が分からない
基本的、サブリース契約中の物件の入居者情報は、オーナー側には開示されません。
ということは、サブリース会社によっては、空室を埋めるため相応しくない人を無理やり入居者させていることがあるかもしれません。
この問題はオーナー側からしたらどうしようもありませんが、信頼できるサブリース会社を選ぶことが大切です。
サブリースのまとめ
今回はサブリース契約の注意点に焦点を絞って解説してきました。
サブリース契約は、一見するとメリットばかりに思えますが、いざ蓋を開けてみると、サブリース会社にとって有利なように契約条件が作られているのが普通です。
サブリース契約を結ぶ時には、契約条項をよく確認するようにしましょう。
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