不動産投資家の永遠の悩みの種が「空室」です。
そして、そんな空室リスクから解放される方法として「サブリース」というものがあります。
サブリースを利用すれば空有室リスクからは解放されますが、サブリースはトラブルが多いことで有名です。
この記事では、サブリースの基本から始まり、なぜこれほどまでにトラブルが多いのか、その内容を紹介していきます。
(この記事は、過去に書かれた記事を2018年9月19日に加筆修正したものです。)
サブリース契約とは?
物件の借り上げて制度
サブリースとは、不動産会社が賃貸物件を一括で借り上げ、その対価としてオーナーに保証料を支払う制度です。
オーナー側からしたら、入居者がいなくても毎月一定の金額が入ってきますし、入退去の手続きや集金業務などから完全に解放されるメリットがあります。
サブリース期間中の空室リスクは、サブリース会社が全て負ってくれます。
保証料がオーナーに支払われる
サブリース契約を結ぶと、毎月サブリース会社から保証料が支払われます。この保証料は、実際に物件から入ってくる家賃収入よりも1〜2割ほど安くなっており、この差額がサブリース会社の手数料として持っていかれます。
空室リスクから解放される対価として、手数料が取られるということですね。
サブリース契約をする前に知っておきたいこと
契約を結ぶ前に、ここに挙げる注意点をよく理解するようにしましょう。
保証料は実際の家賃の8〜9割ぐらい
先ほども説明した通り、サブリース契約では、実際の家賃の8〜9割ほどの保証料しかもらえません。
これが安いか高いか判断するのは投資家次第ですが、万が一これが高いと感じたなら、サブリースにしないで普通に入居付けするのも手です。
保証料は2年に一度見直される
サブリース契約というのは、一度契約を結べばずっと同じ保証料がもらえるわけではなく、2年に一度保証料の見直しが行われます。
築年数が浅いうちは、保証料はそこまで低くはなりませんが、築年数が経過すると、大幅な保証料の見直しを言い渡されることがあります。
この際、オーナーが保証料の値下げを受け入れないと、サブリース契約を一方的に解約される恐れがあります。
物件が古くなってきて入居付けが難しくなる時期に、サブリース契約を解約されてはたまったものではありません。多くの投資家が、泣く泣くこの条件を飲んでいるのが現状です。
永久に高い保証料が続くわけではないことを、しっかりと肝に銘じておきましょう。
解約すると、違約金ががかかる
サブリース契約をオーナー側から解約しようとすると、高額な違約金や厳しい解約条件が設定されていることがほとんどです。
例えば、中途解約の予告期間が異常に長かったりすることがあります。
一方、サブリース会社からは、いつでも契約を解除できる都合のいい条件が設定されていることが多いようです。
つまり、サブリース会社とオーナーは必ずしもフェアな関係にはないのです。
内装費・管理費はオーナーが負担する
サブリース契約で保証されるのは、あくまで賃料のみのことが多いです。
したがって、入居者が退去した際のリフォーム費用や、設備の修繕費といった費用は、すべて物件の所有者が負担することになります。
特に問題なのが、サブリース会社が求める通りの工事をしないと、契約の更新を断られることがあることです。この場合、工事の際、通常よりも作業料が高い業者を連れてきたり、不当な工事費を請求されることもあります。
ですので、費用の負担については、契約前にしっかりとチェックしましょう。
契約解除後にトラブルとなることがある
サブリース中、入居条件を決めるのはサブリース会社ですから、どんな入居者が入居していて、どんな条件で入居しているかはオーナー側には分かりません。
したがって、サブリース契約が解除された後に、入居条件が初めて明らかになって、驚かされることも多々あります。
また、悪い業者に当たると、入居者の情報が引き継がれないことがあります。
そうなってしまうと、入居者と連絡が取れなくなったり、入居者がサブリース会社に家賃を振り込み続けて、物件の所有者側には家賃が振り込まれない可能性もあります。
これを防ぐには、日頃から入居者の情報を共有してもらうようにするのが大切です。
サブリース契約のまとめ
ここまで、サブリース契約について見てきました。
サブリース契約というのは、一見、空室リスクが防げるので、すごく投資家に優しいように思えます。しかし、実際にフタを開けてみると、全然そんなことはないのです。
サブリース契約には要注意です!