ラップ口座・ファンドラップ

ラップ口座のデメリットとは?手数料が高いのがネック

個人投資家向けに、ラップ口座というものが流行り始めているようです。まだまだ普及していないため、この言葉を初めて聞く人も多いのではないでしょうか??今回はそんなラップ口座について、基本からご説明します。

ラップ口座の基本


そもそもラップ口座とは一体なんでしょうか??具体的にご紹介します。

ラップ口座とは

ラップ口座とは、証券会社などの金融機関と投資一任契約を結び、資産運用や投資アドバイスなどの金融サービスを受けられる口座のことをいいます。いわば資産運用を丸ごとお任せにする制度です。

そもそもラップとは「wrap(包む)」という意味があり、ラップ口座では資産運用に関する包括的なサービスを提供することから、そう呼ばれています。

残高に対して手数料がかかる

株式や投資信託などを売買すると、その度に金融機関に手数料を支払いますが、ラップ口座では売買による手数料はかかりません。その代わり、預けている資産の残高に対して、予め決められた「残高手数料」がかかります。

顧客の資産が増加すると、サービスを提供している金融機関の手数料収入も増加すします。そのため、投資家と金融機関が、資産を増やすという共通の目標に向かって一緒に取り組むことができます。

 

ラップ口座のメリット


現在、さまざまな金融機関がラップ口座に力を入れています。そんなラップ口座のメリットについて見ていきましょう。

運用管理を全て金融機関に任せられる

ラップ口座を始めるにあたって、金融機関と投資家は投資一任契約を結び、資産運用を全て金融機関に任せることになります。ですので、最初に運用スタイルについて金融機関と決めた後は、投資家側は特にやることがありません。価格変動によるポートフォリオのリバランスや、投資環境の変化に伴うポートフォリオそのものの見直しも、全て金融機関が丸々引き受けてくれます。

最適なポートフォリオで運用してくれる

ラップ口座を利用すると、金融機関があなたに合わせたポートフォリオを作成してくれます。何百種類もある運用スタイルから、その人に合うスタイルを提案してくれますから、安心して資産運用を任せることができるでしょう。

適切な分散投資をしてくれる

金融機関に運用を任せられるラップ口座では、適切な分散投資が行われるため、価格変動リスクを抑え、幅広く収益を得ることが可能となります。

売買手数料がかからない

ラップ口座を使って商品の売買が行われた場合には、売買手数料がかかりません。売買手数料がかからないのは、非常に嬉しいことです。その代わり、ラップ口座の残高に対して、一定の料率を乗じた手数料が取られます。大体2%ぐらいの手数料が多いようです。

 

ラップ口座がオススメできない理由


一見、投資プロに資産運用の全てを任せられるラップ口座は、メリットの方が大きいように思えます。しかし、それ以上にデメリットの方が大きいのが、現実です。

資産運用を他人に任せることになる

ラップ口座がオススメできない一番の理由は、資産運用を全て金融機関に任せることになるからです。金融機関の目的は、「いかに高い手数料を取って儲けるか」と言っても過言ではありません。

運用を金融機関に丸投げしていると、例えば信託報酬が非常に高い投資信託、ETF、REITなどに投資され、高額な運用管理手数料を取られかねません。これでは、せっかく運用で収益が出ても、その多くが金融機関の手数料として持って行かれてしまいます。

金融機関のカモにされる

金融機関に自分の持っているお金を丸ごと預けた時点で、その投資家はいい「カモ」にされてしまいます。あえて運用管理手数料が高い商品に投資されたり、人気がない商品に無理やり投資されたりして、多額の手数料を取られてしまいます。

運用アドバイザーと商品の売り手が同じになる

お金の運用の際に気をつけたいことが、運用アドバイザーと商品の売り手を分けることです。ラップ口座のように、運用アドバイザーが商品の売り手となってしまうと、なるべく儲かる(手数料が高い)商品を顧客に買わせるインセンティブが働きます。そのため、本来は投資すべきではない商品を買わされる恐れがあります。

これを防ぐためには、独立したファイナンシャルプランナーなどに相談して、投資判断を仰ぐのがいいでしょう。多少の相談料を支払ってでもまともな商品を勧めてもらえたら、結果的に安上がりとなります。

手数料が高すぎる

最近のラップ口座の手数料は、年率2%前後のものが多いようです。毎年の投資収益から、必ず2%も引かれるというのは大きなマイナスです。

ハイリスクの投資をするのならまだ分かりますが、普通の資産運用で2%ものマイナスがあるのは、非常に投資効率が悪いといえます。一般的な投資信託でも信託報酬が1%を切るのが普通ですから、せめて手数料が1%未満でないと割に合いません。

ファイナンシャル・リテラシーが身につかない

ラップ口座を利用して資産運用をしている限り、投資家にはお金に関する知識・経験が蓄積されることはありません。お金に関する基礎知識がないと、この先お金のことで苦労したり、ときには投資詐欺に引っかかってしまうこともあります。

有名な「金持ち父さん 貧乏父さん」の本で紹介されている通り、ファイナンシャル・リテラシー(お金に対する知識や考え方)を身につけることが、現代人にとっては不可欠です。投資に関する勉強をしたくない気持ちも分かりますが、最低限のお金の知識だけは身につけるようにしましょう。

 

まとめ


ラップ口座は、金融機関が手数料を得るための新しい仕組みと考えることができます。正しいファイナンシャル・リテラシーを身につけ、確実な投資を進めていきましょう。

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