不動産投資を始める時に必ず通る道が、「銀行からローンを引く」ということです。
やはり不動産投資ではある程度のまとまったお金が必要ですので、全額現金で投資しようとするのは難しいです。
今回は不動産投資でローンを引く際に知っておきたいことについて解説したいと思います。
不動産投資でローンを引くメリット
まずは、なぜ不動産投資でローンを引くことが良いことなのか、それについて解説していきます。
本来買えないはずのものが買える
不動産投資でローンを引くメリットは、何と言っても買えないはずのものが今買えるということです。
不動産投資で必要なお金を全額現金で用意しようと思ったら、その金額を貯めるまでに相当の時間がかかってしまいます。
お金が貯まるまでの間は、不動産を所有できませんので、当然その間の家賃収入は入ってきません。
しかし、ローンを使って即物件を購入することで、今この瞬間から家賃収入を得ることができるようになるのです。
例えば、3000万円の中古アパートを購入する場合を考えてみます。
あなたは、3000万円ものお金を貯める自信がありますか?
無理ですよね。おそらく、定年間近まで働いてやっと貯まる金額だと思います。
そんなことをするぐらいなら、30代の今のうちにローンで不動産を買って、家賃収入を得始めた方が、効率がいいでしょう。
レバレッジがきく
不動産投資のメリットで大きいのが、レバレッジがきくというところです。
このレバレッジというのは「テコの原理」のことで、より少ないお金でより大きなお金を動かすことを言います。
例えば、年利20%の債券があるとします。
仮に自己資金100万円でこの債券を購入するとすると、あなたは年間20万円のお金を得ることができます。
一方、自己資金100万円を頭金にして900万円を銀行からローンで借りたとすると、あなたは年間200万円のお金を得ることができます。
つまり、同じ自己資金100万円を利用した場合でも、銀行でローンを組むか組まないかによって、得られるお金が10倍も変わってくるのです。
このように、銀行のローンを使うことであなたは何十倍ものレバレッジを得ることができるのです。
不動産投資でローンが組める銀行の種類
ここからは、実際に不動産投資でローンを引くことができる金融機関の種類について、
具体的に解説していきます。
政府系金融機関
ここでは、日本政策金融公庫(以下公庫)が挙げられます。実は、全国に支店があります。
公庫のメリットとして、通常の銀行が出さないような物件にも融資を出してくれることがあります。
また、金利も低く、固定金利というのも魅力的です。
しかし、融資期間が15年が基本で、長くても20年ですので、融資期間が短いというデメリットがあります。
また、あらかじめ融資枠を設定しておけば、その金額以内であれば審査なしでお金が借りることもできます。
都市銀行
主に東京や大阪などの都心部に本店がある銀行です。
特にメガバンクは規模が桁違いに大きく、不動産投資に積極的になると、不動産市場が活発化するようです。
地方銀行
地方銀行とは地方に本店を置く銀行です。
特に不動産投資の融資に積極的なので有名なのが、スルガ銀行、千葉銀行、静岡銀行と言われています。
特にスルガ銀行は、法定耐用年数が残り少ない銀行にも積極的に融資してくれますので、不動産投資家の間ではあまりにも有名です。
その代わり、金利はかなり高めですが、、。
信用金庫・信用組合
この2つの金融機関は、地銀よりも小さく、地域密着型の金融機関です。
メリットとしては、他の都市銀行や地方銀行で融資をしてくれない物件についても、親身になって話を聞いてくれ、融資してくれる可能性があることです。
ただし、その代わり金利は少々高めで、大きい金額の物件ですと融資が出ない可能性があります。
また、融資をしてくれるエリアも物件の近くでないといけませんので、注意が必要です。
ノンバンク
お金を預金することができず、融資するだけの金融機関がノンバンクです。
いろいろなノンバンクがありますが、特に有名なのが三井トラスト・ローン&ファイナンスです。
この金融機関は、築古物件や建ぺい率オーバー、容積率オーバーなどの物件にも融資をしてくれることがあるようです。
ただし、必ず共同担保と言って担保を提供する必要があります。また、金利も高めとなっています。
他の金融機関で融資が下りなかった場合の、最後の砦と言えるでしょう。
銀行でローンを申し込む時のポイント
ここでは、銀行でローンを申し込む際のポイントを解説していきます。
都市銀行→地方銀行→信金・信組→ノンバンク
不動産投資のローンを組む時の大原則が、
都市銀行から地方銀行、信金・信組、ノンバンクの順番でローンを申し込むことです。
理由としては、都市銀行の方が審査は厳しいですが、その分金利が低いからです。ですので、都市銀行から審査を申し込み、通らなければ次は地方銀行にシフトするのが基本です。
信金・信組まで行ってローンが組めなかったら、ここで初めてノンバンクに申し込むことになります。
実はノンバンクが一番最後の理由は、金利が高いこともあるのですが、一番は信用毀損することです。
ノンバンクで融資を組んでしまうと、自分が銀行から融資を受ける能力がなかったと判断され、次に別の銀行で融資を受ける際に、融資が下りない可能性も出てくるようです。
また、ここにあげた順番はあくまで目安です。
実際は、各金融機関によって融資が下りやすい物件の種類が分かれますので、それに応じて融資を申し込むことが多いでしょう。
融資が組めることよりも利益が出ることの方が大切
不動産投資でついついやってしまいがちなのが、さほど月々の利益が出ないのに、ローンが組めるからといって物件を購入してしまうことです。
これは全くもってお勧めしません。
そもそも不動産投資の基本が、毎月の家賃収入の範囲内でローン支払いをし、その上で利益を出すことです。
融資ありきで物件を購入してしまうと、将来的に修繕が必要になった際に投資家が破綻してしまったり、非常に苦労することになります。
ローンが組めると非常に嬉しいですが、感情に流されることなく冷静に数字を分析して投資を行うようにしましょう。
不動産投資で失敗すると、莫大な借金を抱えることになります。そのことをしっかりと肝に銘じましょう。
まとめ
ここまで、不動産投資におけるローンについて解説してきました。
ローンを組むメリットや、どの金融機関を選ぶかを理解し、健全な不動産投資を行いましょう。