投資信託の人気ランキングを調べていると、毎月分配型投資信託がランキングの上位を占めています。
これだけ人気があるということは、さぞかし儲かりそうに思えますよね??
でも実は、毎月分配型投資信託は多くの初心者投資家にとってあまりおススメできない投資信託なのです!
今回は、そんな毎月分配型投資信託について解説していきたいと思います。
毎月分配型投資信託の基礎知識
まずは毎月分配型投資信託の基本的な内容について押さえましょう!
毎月一定額の分配金がもらえる
毎月分配型投資信託の特徴は何といっても、その名の通り「毎月一定額の分配金をもらえる」ということです。
毎月分配型投資信託は一カ月ごとに決算を行い、投資信託の収益の一部を「分配金」として毎月分配する運用方針となっています。
投資信託として自分の資金を運用しつつ、その運用成果はこまめに受け取ることができるということです。
ただし、投資信託の運用成績によっては分配金が払われなかったり、払われたとしても減額されたりすることがあります。
ちなたで人気がある
毎月分配型投資信託は、とにかく人気があります。
直近の投資信託のランキングを見ても、ランキング上位の多くを毎月分配型投資信託が占めているのが現状です。
毎月定期的に分配金を受け取れることで、購入者に安心感やお得感をもたらしているのが一因かもしれません。
しかし、多くの投資のケースで当てはまることですが、「人気がある」からといってその投資が必ずしも儲かるとは限らないのです。
人気があるから毎月分配型投資信託を買うのではなく、しっかりと毎月分配型投資信託のメリット、デメリットを押さえたうえで買うことが望まれます。
毎月分配型投資信託のメリット
それでは、毎月分配型投資信託のメリットについて見ていきましょう!やっぱり、毎月お金がもらえたら嬉しいですよね!
毎月分配金がもらえる
やはり、毎月分配型投資信託のメリットは毎月分配金がもらえることでしょう。
お金を投資信託で運用しつつも、投資信託で儲かった部分は分配金としてもらうというのは、理に適っているようにも感じられます。
その分配金を使って毎月のお小遣いや生活費に充てることができれば、給料や年金の代わりとして活用することができます。
投資の手間がかからない
株式などで毎月一定額を稼ごうと思ったら、チャートを分析して株の売買を行わなければなりません。
これを毎日行おうと思ったら、かなりの手間になります。
一方、毎月分配型投資信託の場合、一度投資信託を購入すれば、あとは自動的に毎月分配金が入金されますので、非常に手間が掛かりせん。
毎月分配型投資信託のデメリット
ここまで毎月分配型投資信託のメリットについて見てきました。
ここからは、そのデメリットについても見ていきましょう。
実は、毎月分配型投資信託はメリットよりもむしろデメリットが強調される傾向にあります。
投資の効率が悪くなる
毎月分配型投資信託で分配金が支払われると、投資の効率が悪くなるデメリットがあります。
その理由は、本来元本に加えられて再投資されるはずの資金が、分配金として外に出て行ってしまうからです。
分配金がない投資信託の場合、ファンドの運用によって得た収益はファンドの元本に加えられるため、雪だるま式に資産がどんどん増えていきます。
これを「複利」といいます。
一方、毎月分配型投資信託では収益が分配金として出て行ってしまうため、複利の力はほとんど働かず、最初に投資した元本で投資を進めていくイメージになります。
よって、毎月分配型投資信託では投資の効率が悪くなってしまいます。
分配金が元本の取り崩しに過ぎないときがある
そもそも分配金は、「普通分配金」と「元本払戻金」の2種類に分けられます。
「普通分配金」とは、あなたが投資信託を買った時の基準価額よりも、決算時の基準価額が高かった時に支払われる分配金です。
つまり、純粋な意味での「値上がり益」ということです。
一方、「元本払戻金」はあなたが投資信託を買った時の基準価額よりも、決算時の基準価額が低かった時に支払われる分配金です。
つまり、「損」をしているにもかかわらず支払われる分配金です。分配金を払うために、元本を無理矢理削って分配金を捻出したということです。
当然、元本払戻金は元本の払い戻しと考えられますので、あなたにとっては得でも何でもありません。
つまり、元本払戻金が支払われることがあるので、要注意ということです。
分配金には税金が掛かる
分配金をもらうことは嬉しいですが、実は分配金が支払われるごとに20パーセントほどの税金が掛かります。
毎月分配型投資信託の場合、1年で12回も税金を支払うことになり、かなりの税金が掛かってしまいます。
また、分配金を再度同じ投資信託に回す人もいるようですが、税金を払う分、分配金がない投資信託の方が投資の効率が高いことになります。
毎月分配型が向いている人、向いていない人
ここまで毎月分配型投資信託について色々と見てきました。
結論から言うと、毎月分配型投資信託に向いている人と向いていない人がいます。
毎月分配型投資信託が向いている人
毎月分配型投資信託が向いている人は、すでにある程度資産を持っている人でしょう。
使い道としては、こういった人たちの毎月の生活費として利用することが考えられます。
ある程度の資産を持っている人は、資産を増やす必要がそこまでありませんので、毎月分配型投資信託を使って毎月の収入の補助として使うのが無難でしょう。
毎月分配型投資信託が向いていない人
毎月分配型投資信託が向いていない人は、これから資産形成をしていきたい若年層や普通の個人投資家になります。
理由としては、毎月分配型投資信託は投資の効率が悪いので、長期的に見て値上がりを期待することがほとんどできないからです。
むしろ、長期的に資産形成をしたいなら、分配金のない投資信託で運用した方が良いでしょう。
毎月分配型投資信託のまとめ
以上、毎月分配型投資信託について見てきました。
私の意見ですが、毎月分配型投資信託は全くおススメできない投資信託だと思います。
というのも、長期的な資産形成に向かないことと、税金が多くかかってしまうからです。
私が投資している投資信託には、毎月分配型投資信託が一つも含まれておらず、全てが分配金のない投資信託になります。
投資信託のランキングを見るとついつい毎月分配型投資信託に目写りしてしまいますが、この記事に書いてあったことを参考にして、購入を踏みとどまってほしいと思います。
そして、是非とも投資信託の勉強をしてから、あなたにとって最適な投資信託を見つけてください。