株式投資といっても、その投資スタイルによって様々な種類があります。今回は、その中でも最も長期間にわたって対象銘柄に投資する「長期投資」についてご紹介したいと思います。
この記事をあなたが株式投資を始める際の参考にしてみてください!
長期投資の基本
まずは長期投資の基礎知識から押さえましょう。長期投資は、その名の通り長期にわたって投資することをいいます。
長期投資とは
長期投資とは、長期間にわたって株を保有し続ける投資手法です。明確な保有期間が決まっているわけではありませんが、少なくとも3年以上は保有していないと長期投資とはいえないでしょう。長期投資をすることで、日々の株価の変動に惑わされることなく、企業の経済活動の結果として得られる株価上昇を狙うことができます。投資家として有名なウォーレン・バフェット氏も、長期投資を行っています。
複利の効果が期待できる
長期投資をすると、対象株を数十年にわたって保有することになりますので、複利の効果を期待することができます。長期になればなるほど、株の値上がりと配当金による利益を期待することができます。
投資のコストを抑えられる
投資の期間が長期間になればなるほど、1年あたりの投資コストを低く抑えることができます。株を頻繁に取引すると、毎回取引手数料がかかるため、それだけ株式投資の収益を圧迫することになります。しかし、長期投資では1回、株を購入したら次に株を売却するのは何十年も先です。したがって、最初に支払った取引手数料は、時間の経過とともにどんどん薄まってくいくことになります。つまり、長期投資では売買頻度が少なくなるため投資コストを抑えることができ、投資収益を大きくすることができます。
利益を上げられる可能性が高い
株式市場というのは、周期的に暴落を繰り返します。例えば、リーマンショックでは株価が大きく暴落しました。しかし、短期的には上下を繰り返す株式市場ですが、長期になればなるほど、その下落から回復する可能性が高まります。長期的に見ると、株式市場は本来の価値水準に収束していくことが過去の実績から判明しています。つまり、長期投資をすることで、短期的な市場の変動に左右されず、堅実に成果を上げられる可能性が高まるのです。
長期投資のメリット
長期投資をすることで、多くのメリットを享受することができます。それでは、具体的に見ていきましょう。
長期的に成長する経済の波に乗れる
経済というのは、短期的に見ると景気循環を繰り返し、景気が好調の時もあれば不況の時もあります。しかし、長期的に見ると、経済は右肩上がりに成長を続けています。これは株式市場も同様で、短期的には上げ下げを繰り返しますが、長期的に見ると、株価は右肩上がりに上昇を続けています。つまり、長期投資をすることで、長期的に上昇する株価の波に乗って投資ができるのです。
日々の値動きに振り回されない
長期投資をすることで、短期的に変動を繰り返す市場に一喜一憂することなく、落ち着いて投資を進めることができます。株式投資の本来の姿とは、自分の余裕資金を企業に投資し、その企業が成長したらその成果を受け取るというものです。そういう意味で、長期投資というのは投資の王道ともいうべき投資方法なのです。
ちなみに、株のデイトレードのような短期投資では、株価の些細な変化も見逃すことができないため、取引時間中はずっとパソコンに張り付いていなければなりません。そして、短期的な株価の上下に一喜一憂し、落ち着いて取引にのぞむことができないでしょう。
株価はその企業の本質的価値に落ち着く
株式投資の基本は、その企業の本質的価値を評価し、その将来性を見込んで投資するというものです。しかし、これが短期投資になってしまうと、短期的な変動要因によって株価が上下し、その本質的価値から乖離した株価がつくことが多くなります。しかし、長期的に見ると、株価は会社の本来の価値を反映した水準に落ち着きます。ですので、将来性のある企業の株を割安な価格で購入することができれば、株価の上昇を期待することができます。
安定株主になれる
株式を1年以上持っていると、その会社から配当金をもらうことができます。また、株主優待を行なっている企業もありますので、長期で株を保有することで恩恵を受けることができます。さらに、株を持っていると株主総会で議決権を行使できるようになりますので、その企業の経営に関与して一緒に会社を良くしていくことができます。
長期投資のデメリット
長期投資にもデメリットがあります。やはり長期的に投資しているわけですから、短期的に利益を上げたい人には向かないでしょう。
結果が出るまでに時間がかかる
長期投資のデメリットは、結果が出るまでには時間がかかることです。株式投資をしていると、日々の株価の変動を追いかけてしまいます。そのため、短期的に株価が上昇したら、すぐに株を売って利益を得たいと考えるでしょう。しかし、長期投資では短期的に株価が上がったからといって株を手放すべきではありません。このように、すぐに利益を手に入れたい人は、長期投資に向かないでしょう。
短期的な変動の影響を受ける
長期投資をしていると、相場が暴落する場面に何度か出くわします。直近ではリーマンショックやギリシア危機、東日本大震災がそうです。長期投資では長期間にわたって株式市場に投資しているわけですから、こういった危機が起きるのは仕方がないことです。こういった危機が起きると心が動揺してしまいますが、辛抱強く株価が戻るまで待つことが必要です。
長期投資をする際に心がけたいこと
ここからは、長期投資をする際に心がけたいことを簡単にご紹介します。
慎重に投資する
投資をする上では、慎重に投資することが大切です。株価を完全に予想することはできないと理解し、株価が大底をつけたと思っても何回かに分けて購入する慎重さが大切です。
冷静さを保つ
株式市場が過熱気味の時も、悲観的な時も、その場の雰囲気に流されず、常に冷静に投資判断することが大切です。市場に流されて投資をするのではなく、自分の判断基準に基づいて投資を進めることが大切です。
辛抱強くいる
一度その株を購入したら、辛抱強く持ち続けることが大切です。また、投資の絶好のチャンスは数年に1回ほどしかやってこないと割り切り、市場が振るわない場合には投資をしないで辛抱強く待つという姿勢も大切です。
楽観的に構える
株式市場がどんなに悲観的なムードの時にも、経済が破綻することはあり得ないと楽観的に構えることが大切です。実際、株式市場はそういった悲観的な相場を何回も繰り返しながらも今に至っているのです。株価が軒並み下落している時こそチャンスだと考えて投資することが大切です。
まとめ
ここまで、長期投資について簡単にご紹介してきました。長期投資は投資本来の意味に最も近い投資方法といえます。
あなたも短期的な利益を追い求めるのではなく、長期投資をしてみませんか!