不動産投資で失敗する人の多くが、目先の利回りや価格だけを見て物件を購入している傾向があります。しかし、不動産投資は長期にわたって運用するものですから、10年、20年と長期にわたって維持できるものでなければなりません。
そこで今回は、長期間にわたって維持可能な収益物件の選び方についてご紹介したいと思います。この記事を参考に、あなたも不動産投資を進めてみてください。
長期間維持可能な物件の特徴
長期間維持可能な物件を選ぶにあたり、長期にわたり変化しない要素を優先して考える必要があります。それは、立地と、物件の形態、そして物件の新旧と構造です。
立地が都心である
長期間維持可能な物件を購入するためには、まずは立地が東京や大都市圏の都心のものを選ぶ必要があります。なぜ都心を選ぶ必要があるかは、以下で詳しくご説明します。
賃貸需要が豊富
収益物件を選ぶ際には、賃貸需要が旺盛かどうかが重要です。賃貸需要がない地域に物件を購入してしまうと、入居者が集まらず、家賃収入を得ることができません。
賃貸需要が高いということは、それだけ人口が多いということです。都心には人口が多く集まるため、その旺盛な賃貸需要を上手く生かすことができます。また、都心には人口を引きつけるだけの様々な要素が存在しており、どれか一つの要素がなくなっても、賃貸需要が極端になくなることはほとんどありません。
賃貸需要が高く、長期的にも安定している都心に収益物件を持つことで、長期にわたって安定した不動産経営を行うことができます。
人口が増え続けている
日本の総人口は減少を始めていますが、実はすべての都道府県で均等に人口が減少しているわけではないのです。実際、全国8都道府県では、未だに人口が増加を続けています。具体的には東京、埼玉、神奈川、千葉、愛知、福岡、大阪、沖縄です。これらの地域は人口が増加を続けているため、賃貸需要が長期にわたって維持されると期待されます。
事業所が集まっているか
人口が多い要因の一つに、企業が事業所を構えているかどうかがあります。働く人が多いほど、その職場の近隣地域に住む人は多くなります。ちなみに、上場企業のおよそ半数が東京に本社を構えています。
大学が集まっているか
進学をきっかけにして、大学の近くに引っ越してくる人も多いです。大学などの教育機関が集まっていると、賃貸需要が大きくなります。最近では多くの大学が東京都心にキャンパスを移しており、東京都心へ学生が集まる流れは今後も続くと思われます。
利便性や再開発計画があるか
スーパーやコンビニ、飲食店など、生活を送る上で不可欠な商業施設が集まっていたり、移動手段が発達していたりするのも、人口が集まる要因です。特に東京23区には世界有数の鉄道網が張りめぐされており、利便性が非常に高いといえます。
また、街というのは時間が経つにつれて衰退していくものです。そんな時、再開発が行われれば、その地域は継続的に発展していくことが期待できます。東京都心では渋谷の再開発やオリンピック施設の建設などで、今後も多くの再開発が行われます。
区分ワンルームマンション
購入する物件のタイプとしては、ワンルームマンションの区分所有がいいでしょう。
リスクを分散できる
一棟ものの収益物件を購入してしまうと、急に賃貸需要が減少したり、地震が起きて倒壊した場合には、一気に収入がなくなってしまいます。しかし、区分ワンルームマンションを複数購入することで、物件の地域や購入時期、築年数などの要素を分散し、安定した賃貸経営を行うことができます。
維持費が安い
長期的な視点で物件選ぶ際には、維持費にもしっかりと目を光らせる必要があります。維持費で大きくかかるのが、退去時のリフォーム費用です。リフォーム費用を比較すると、ワンルームタイプは10~15万円、ファミリータイプは30万円ほどとなり、ファミリータイプの方がコストがかかることが分かります。
購入価格が安い
物件を購入する際の価格は、面積が大きくなるほど高くなりますから、ファミリータイプよりもワンルームタイプの方が価格が割安となります。ファミリータイプを1戸購入するよりも、ワンルームタイプを2戸購入した方が、分散投資の観点からいっても優れています。
また、賃貸需要の面でも、ワンルームの方が賃貸需要が強いです、今後は単身世帯がさらに増えていきますから、ワンルームへの賃貸需要は高いままでしょう。
RCマンションで中古築浅
最後に、マンションタイプはRC(鉄筋コンクリート)のもので、中古築浅の物件を選ぶようにしましょう。
RC造りは寿命が長い
軽量鉄骨、木造、鉄骨造り、RC造りのうち、RC造りが最も強固で耐久性が高いです。そのためRC造りのマンションは、きちんとメンテナンスを怠らなければ100年近く使用可能と言われています。
また1981年以降に建てられた新耐震基準のマンションを購入することで、高い耐震性を期待できます。実際に新耐震基準のマンションは、東日本大震災や熊本地震でも、一棟も倒壊がなかったと言われています。
新耐震基準のRCマンションを購入することで、長期にわたって安心して賃貸経営を行うことができます。
中古物件は購入価格が安い
なぜ中古のワンルームマンションの方がいいかというと、購入価格が安く済むからです。具体的には、新築マンションの6割ほどの価格で購入することができます。一方、新築と中古の家賃を比較してみると、新築と築浅では家賃がほとんど変わりません。
家賃はほぼ同じで、購入価格が安いのですから、新築よりも中古築浅の方に軍配が上がります。
築浅物件は間取りや設備が新しい
マンションの間取りは、分譲された年によって異なっています。比較的築浅の物件は、風呂とトイレが分かれており、部屋の広さも20平米以上はあり、設備も新しいため、高い賃貸需要が見込まれます。
一方、築年数が経過しているマンションは、風呂とトイレが一体のユニットバスになっているものが多く、部屋の広さも20平米を切っているものもあり、入居者から敬遠される可能性が高いです。また、設備が古いため、故障や修理が発生する恐れもあります。
まとめ
長期にわたり維持可能な物件を購入するためには、①立地が都心で、②区分ワンルームで、③中古築浅RC造りである必要があります。これらの条件を満たせば、長期にわたって安定的に賃貸経営を行うことができます。
ただし、家賃収入だけでサラリーマンをリタイアしたいと考えている人は、この戦略ではスピード感が非常に遅いため、一棟物件で投資を進めた方がいいでしょう。
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