念願のマイホームを手に入れても、突然の転勤や様々な金銭問題が原因で、止むなく自宅を手放さなければならないこともあります。そんな時、普通の人なら仲介業者に売却の「仲介」をお願いすると思います。しかし、実は仲介以外にも売却方法はあって、それが今回紹介する「買取」です。
今回は、そんな買取について詳細に説明したいと思います。
不動産を売却する方法
冒頭でも説明した通り、不動産の売却方法には大きく分けて2種類あります。こちらでそれぞれ解説していきたいと思います。
仲介
「仲介」は最も一般的な不動産の売却方法でしょう。不動産の仲介業者に物件の仲介をお願いして、仲介業者が広告などを利用して買い手を探します。売買が成立した場合、仲介手数料が発生します。通常は3ヶ月〜6ヶ月ほどで売却が決まります。
仲介をお願いする場合、仲介業者と媒介契約を結びます。媒介契約には「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3種類があります。契約ごとに仲介方法が少しずつ違いますが、今回は割愛させていただきます。
買取
「買取」という言葉を聞き慣れない人も多いのではないでしょうか??
買取では不動産会社があなたの物件の買い手となり、物件の買取を行います。買取の場合、仲介のように買い手を探す手間が掛かりませんので、早急に売却が可能です。また、業者に直接売却するため、仲介手数料も掛かりません。
買取の仕組み
ここからは、不動産の買取の仕組みについて具体的に解説したいと思います。仕組みとしては、非常にシンプルです。
買取価格の決め方
買取で不動産を売却した場合、仲介の場合に比べて価格は低くなることが多いです。買取価格の相場は、市場価格の60%前後と言われているようです。
なぜ買取価格が安くなるかというと、それは不動産会社が転売で利益を得るからです。買取で物件を購入した業者は、購入した物件を自分でリフォームしたり、建て替えをしたりしてバリューアップを図ります。そして、その物件を市場に高値で売りに出し、売却します。売却した金額から買取価格とリフォーム費用等を引いたものが業者の利益となります。ただし、市場で売却しようにも、買い手が見つからなかったり、安値で売却しなければならないケースもあるため、不動産会社としては安値で買取を行わざるを得ないのです。
買取による売却の種類
買取の方法にも、実は2種類あります。買取保証と即時買取です。
買取保証
買取保証とは、不動産会社が一定期間を設定して売却活動を行い、買い手を探す方法です。期間中に売却できなかった場合、あらかじめ決めておいた価格で不動産会社が物件の買取を行います。こちらの方法は、売却までに時間的余裕がある場合に適しています。
即時買取
即時買取では、売却活動を一切せず、即時に物件の買取を行う方法です。物件の売却を急いでいる人は、即時買取がいいでしょう。しかし、即時買取の場合は買取保証と比べて価格が低くなる傾向がありますので、注意が必要です。
買取のメリットとデメリット
こちらでは、買取を選択する場合のメリットとデメリットを見ていきたいと思います。
短期間で売却できる
買取を利用すれば、最短で数日ほどで物件を売却して現金化できます。売却を急いでいる人には、非常にメリットが大きい方法です。仲介で物件を売却する場合には3ヶ月ほど時間が掛かってしまいますので、スピード感に欠けます。
仲介手数料が掛からない
買取では不動産会社に直接物件を売却するため、仲介手数料が発生しません。高額な仲介手数料を節約することができるのです。ちなみに、仲介の場合には「取引価格☓3%+6万円」の手数料が掛かります。1,000万円の物件が売れた場合、仲介手数料は36万円も掛かります。
瑕疵担保責任が免除される
買取にて物件を売却する場合、瑕疵担保責任が免除されるメリットがあります。
瑕疵担保責任とは、物件の売却後であっても隠れた箇所に不具合が見つかった場合、その不具合の責任は売主に帰属するというものです。つまり、一定期間内にトラブルが起きた場合、売主がその費用を負担する責任があるのです。仲介の場合には瑕疵担保責任を負わなければなりません。一方の買取の場合、瑕疵担保責任が免除されます。
知られることなく売却できる
買取を利用することで、近隣住民に知られることなく物件を売却することができます。
中には不動産の存在を他人に知られたくない人もいます。買取では広告を打ったりチラシを配る必要もないため、誰の目にも触れずに売却を済ますことができるのです。仲介の場合には、不特定多数の人に物件の情報が知られることになります。
デメリット:売却金額が低くなる
買取で売却することのデメリットは、仲介による売却よりも売却価格が低くなることです。買取の宿命とも言えますから、仕方がないでしょう。
買取による売却の流れ
さて、こちらで実際に買取を行う場合の流れについてご紹介したいと思います。
査定の依頼をする
買取を依頼する前に、まずは自分の物件の買取価格の相場を確認しましょう。買取専門サイトがありますので、こちらを通じて複数社に査定を依頼します。
また、仲介で売却する場合の相場も知っておくとより有利に交渉を進められますので、仲介の場合の査定も複数社にお願いしておきましょう。
買取業者を決める
提示してもらった査定額を元に買取業社を決めます。その際、単に金額だけでなく、担当者の印象なども参考にして決めるようにしましょう。
売買契約を締結する
買取業社を決めたら、次に買取までのスケジュールや買取の種類について決めます。詳細が決まりましたら、不動産売買契約を結びます。
引っ越しと物件引渡し
物件を引き渡す前には新居への引越しを済ませておきます。そそて、売却代金を買取業者から受け取った後、いよいよ物件の引き渡しを行い、抵当権の抹消や所有権の移転登記などを行います。
これで晴れて物件の売却ができましたので、これから新しい生活がスタートします!
まとめ
買取を利用すれば、スピーディーに、そして誰にも知られることなく物件を売却できることが分かりました。しかし、売却価格には目をつぶらないといけないことが悩みです。
売り急いで仕方なく買取を選択することがないよう、物件の売却が決まったら早めに行動に移し、高値で売れるようにしましょう。