不動産投資家の集まりに行くと、区分マンショを買っても全然儲からなかったという話をよく聞きます。
また、新築の区分マンションを買ったために大損をしたという方もいました。
今回は、なぜ区分マンション投資がお勧めできないのか、その理由をまとめてみました。
区分マンション投資がお勧めできない理由
それでは早速、区分マンション投資がお勧めできない理由を順番に見ていきましょう。
ただし、だからと言って区分マンション投資が悪いというわけではなく、こういったデメリットを理解した上で、投資するのこと大切です。
規模の拡大ができない
やはり、不動産投資を検討している人の多くが、将来的には不動産収入だけで生計を立てていきたいと考えていることでしょう。
そのためには、物件そのものにある程度の規模がないといけません。
区分マンショ投資の場合、利益が出たとしても、せいぜい月々2〜3万円代でしょう。
上記の例で、区分マンション投資だけでサラリーマンをリタイアしようと思ったら、区分マンションを最低10〜20個以上保有しないとダメでしょう。
仮に一棟マンションやアパートの場合、一棟買うだけでサラリーマンをリタイアするだけの収入が得られる可能性があります。
区分マンションの保有数を増やすには、なによりも銀行から融資を受ける必要があります。
その場合、金融機関は審査で貸し手の保有物件を調査しますが、数千万円以下の区分マンションをたくさん保有していると面倒がられ、取り合ってくれないことすらあります。
また、小口の物件は担保価値ゼロと判断して、規模の大きい一棟物件だけ担保として評価する金融機関もあるようです。
この場合、区分マンションの借入金だけは負債と判断され、資産はゼロと見られてしまいます。
ですので、いくら賃料収入が得られても、債務超過と判断され、新しく融資を受けることができなくなってしまいます。
このように、区分マンション投資では、個別の物件あたりの収入が非常に少ないことと、銀行の融資が出にくいこと、この2つがネックになって規模の拡大が難しいのです。
賃付けで優先してもらえない
区分マンション投資は、不動産投資で非常に重要である賃付けの面で見てもデメリットがあります。
冷静に考えてみて、区分マンション一室の賃付けを依頼するのと、はたまた一棟物件で複数の部屋の賃付けを同時に依頼する場合、果たして賃付け業者にとってはどちらの優先度が高いでしょうか??
答えは明白で「一棟物件」です。
一棟物件の賃付けを優先した方が、仲介業者はより多くの手数料収入が入るのです。
また、区分マンションのオーナーを怒らせても収益にはさして問題がありませんが、一棟物件のオーナーを怒らせた場合には大慌てです。
このように、区分マンションというのは、賃付けの面で仲介業者から後回しにされる可能性が高いのです。
競合が多く高値で売れない
区分マンションをいざ売却しようとしても、他にも同様の立地、間取りの物件が複数売りに出ていますから、自分の物件だけ高値で売り抜けることができません。
他の物件と差別化が難しいのです。
したがって、区分マンションを売却する際には、近隣の物件の平均値で売ることになります。
一方、一棟物件の場合には、オンリーワンの物件ですから、相場より高い値段で売り抜けることも可能になります。
ただ、物件を売却しても、物件購入からトータルで考えて利益が出ているなら、そこまで高値で売れることを気にする必要もないでしょう。
古くなると管理費や修繕積立金が高くなる
これはすべての不動産でも同じことですが、新築から10年ほどは、ほとんど修繕をせずに物件を運営できます。
しかし、10年を超えたあたりから、屋上防水、外壁塗装など、様々なコストが発生します。
これに対応するため、区分マンションでも物件が古くなるにつれて、管理費や修繕積立金が高くなる傾向にあります。
どのぐらい修繕積立金が増えるのかを知るには、長期修繕計画を見れば書かれていることがあります。
区分マンション投資において、管理費と修繕積立金の割合が非常に高いです。
よって、修繕積立金が上がっても収支がマイナスにならないよう、購入前に修繕積立金がどのように上がるか確認したほうがいいでしょう。
古くなっても自分の意思で修繕できない
区分マンションのデメリットで挙げられるのが、自分の意思で建物の修繕ができないことです。
区分マンションの室内については、自分の部屋ですから好きなようにリフォームできます。
しかし、建物全体となると、修繕をするのは困難でしょう。
というのも、区分マンションの場合、すべてが管理組合の合議制で決まりますので、自分の意思だけでは修繕をすることができないのです。
また、古い物件の場合、多くの場合は各部屋のオーナーが物件に対して興味がないため、修繕を提案しても誰も動いてくれないことでしょう。
マンションを建て替えるお金が貯まっていない
通常のマンションの場合、建物が古くなった場合には、取り壊して建て替えるのが通常です。
しかし、区分マンションの場合には、建て替えるための修繕積立金が不足しているのが現状のようです。
また、建て替えの決議を取るためには、
区分所有者の8割以上の許可を得る必要があるようですが、多数決で賛成を得るのは日本人の気質上難しいでしょう。
よって、区分マンションの場合、最後には廃墟となり朽ち果てるしかないのかもしれません。
廃墟となる区分マンションのカードを引かないように、投資家みんなでババ抜きをしているようなものでしょう。
まとめ
ここまで、区分マンションについて見てきました。
確かに、区分マンション投資そのものにはそこまでメリットがないのかもしれません。
しかし、投資資金が用意できない人や、少しずつ不動産の知識を勉強したいという人は、区分マンション投資を進めてもいいと思います。
ただし、その場合には、この記事で挙げた注意点をしっかりと考慮に入れ、物件を購入しましょう。