金利が高いのが魅力的な外貨預金ですが、闇雲に投資を始めてしまうと、思わぬ失敗をすることがあります。というのも、外貨預金には様々な手数料がかかるため、投資先としてはいまいちだからです。
この記事では、外貨預金に投資する前に絶対に押さえておきたいポイントを解説していきます。
【この記事は、過去に書かれた記事を2018年8月22日に加筆修正したものです。】
外貨預金の基本を理解しよう!
外貨預金にはメリットがいっぱい
外貨預金とは、外国通貨建てで行う預金のことをいいます。低金利の日本とは違い、海外は金利が高いため、高金利が期待できます。また、単純に金利だけでなく、預け入れ時よりも為替レートが円安に振れた場合には、為替差益で儲けることもできます。
高金利に加えて為替差益も狙えるのが、外貨預金の大きなメリットです。
為替手数料がかかる
高金利が魅力の外貨預金ですが、外国通貨で運用するからこそ注意点があります。
外貨預金を始めるには、日本円と外国通貨を両替する必要がありますが、その際、為替手数料がかかります。しかも、外貨預金の為替手数料は、1ドルにつき1円ほどと超高額となっています。
仮に1ドル=100円とすると、両替の際に1%ものマイナスが発生することになります。この1%という数字は、非常に割高な水準です。日本の円預金で、金利が1%のものは存在しないでしょう。
また、為替手数料は何も日本円から外国通貨に両替するときにだけ掛かるわけではなく、外国通貨から日本円に両替するときにも掛かります。つまり、往復分掛かるのです。
外貨預金では為替手数料が非常に大きなウェイトを占めますので、実はそれほどうまみがない投資なのです。
為替レートの影響を受ける
外貨預金は、為替レートの影響を大きく受けます。日本円を外国通貨に両替する際、そして外国通貨から日本円に戻す際、それぞれ為替レートの影響を受けます。
高金利な外貨預金で運用しても、為替レートが一旦円高に振れれば、トータルで収支がマイナスになることもあります。外貨預金は、不確実性の大きい投資なのです。
外貨預金の税金
外貨預金にかかる税金は、利息にかかる税金と為替差益にかかる税金の2種類に分けられます。以下、それぞれの特徴について順番に解説していきます。
利息に対する税金
外貨預金の利息にかかる税金は、預金を国内に預けている場合と海外に預けている場合とで異なります。
国内に預けている場合には、普通の投資と同じように、利益に対して20.315%の税金が課せられます。源泉徴収で差し引かれるため、確定申告の必要は特にありません。
海外に預けていると、少し複雑になります。まず、利息については利子所得として確定申告の必要があります。一方、日本と海外で二重課税とならぬよう、外国税額控除を適用することができますので、外国で課税された税金の一定額を控除できます。
為替レートにかかわる税金
為替差益が発生すると、雑所得として課税の対象となります。この際、給与所得が2,000万円以下で、年間の投資利益が20万円以下の場合には、確定申告の必要はありません。
また、為替差損が発生している時には、他の雑所得の利益と損失を相殺することができます(損益通算)。
外貨預金を始める際のポイント
金利や為替手数料をよく確認する
外貨預金を始める際には、金利だけでなく、為替手数料も確認しましょう。どんなに金利が高くても、為替手数料が高かったら何の意味もありません。
金利や為替手数料については、金融機関のホームページで簡単に確認することができます。また、中にはキャンペーン金利が適用される金融機関もありますが、最初の数ヶ月だけしかキャンペーン金利が適用されないことも多くあり、あまりメリットがないといえます。
為替手数料が高い通貨もある
為替手数料は、その通貨の流通量によって決まっています。ドルやユーロなどの主要通貨は流通量が多いため、為替手数料が割安になる傾向があります。しかし、高金利通貨などの流通量の少ない通貨は、調達コストがかかるため、為替手数料が高くなります。
高金利通貨に投資する際には、金利の高さにばかり目線がいってしまいますが、為替手数料にもしっかりと注意しましょう。
為替レートの変動を予測するのは困難
外貨預金は為替レートの影響をもろに受けますが、為替レートが今後どのような方向に動くかをあらかじめ予想するのは、困難です。そのため、外貨預金に投資するのは、ある意味博打に近いところもあると理解しましょう。
為替レートの変動に対処する確実な方法は、一つの通貨にだけ投資するのではなく、複数の通貨に分けて投資することです。こうすることで、万が一のリスクを最小限に抑えることができます。その際、主要通貨であるドルやユーロと、他のマイナー通貨を2つ組み合わせるといいでしょう。
外貨預金で損失が出た時の対処法
色々気をつけて外貨預金を始めても、そこはやはり投資。時には損失が出てしまうこともあります。ここからは、外貨預金で含み損が出た時に、そこから立ち直る方法を解説していきます。
買い足して単価を下げる
預け入れ時よりも為替が円高に振れると、損失を抱えることになります。
こんな時は、追加で外貨預金を買い足せば、最初に購入した時よりも安い値段で外貨預金に投資できるわけですから、平均投資単価を引き下げることができます。為替が円安に戻れば、またすぐにリカバリーすることができます。
ただし、為替がさらに円高に振れると無限に損失が拡大しますので、買い足す際には細心の注意が必要です。
他の通貨へ乗り換える
もしも外貨預金で含み損を抱えた場合には、運用する通貨を別の通貨に換えるのも一つの手です。この際、外貨から一度日本円に戻し、それから別の外貨に投資すると、手数料が2倍かかることになります。そのため、日本円に両替せず、外貨のまま別の外貨に乗り換えるのがいいでしょう。
外貨を海外でおろして使う
外貨預金で含み損が出た時には、思い切って外貨のまま海外でお金をおろすのも一つのです。そして、そのまま別の投資に資金を振り向けてもいいわけです。
中には外貨のまま引き出せない金融機関もありますが、その場合には、別の金融機関に送金してから引き出すことができます。
このように、投資で損失が出るのは仕方のないことです。大切なのは、いかに早く損失からリカバリーし、次の投資につなげるかです。
まとめ
この記事では、外貨預金について解説してきました。
投資には失敗はつきものです。いかに失敗を未然に防ぎ、失敗が起きた場合には早く立ち直るかが重要となってきます。
外貨預金の基本を押さえ、堅実に投資を進めましょう。
この記事へのコメントはありません。