ストックオプション

新株予約権とは何?行使価格や株価への影響を分かりやすく解説

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あなたは「新株予約権」をご存知でしょうか?

新株予約権は「新株の購入予約権」のことをいい、株式を好きなタイミングで購入できる権利のことをいいます。

新株予約権にはあらかじめ購入価格(行使価格)が決められていて、投資家は条件を満たせばいつでも権利を行使し、株を購入することができます。

新株予約権は会社側と投資家側で利害が一致しないことが多く、この記事では新株予約権の基礎知識と利害関係を分かりやすく解説します。

新株予約権の基本を理解し、堅実に投資を進めましょう。

目代康二
新株予約権という言葉はなかなか耳にしませんよね。この記事を読めば、新株予約権について一通り理解できます!

(最終更新日:2019年8月9日)

新株予約権とは?基本を理解しよう

まずはじめに、新株予約権とは何か、新株予約権の基本から解説していきます。

新株予約権とは

新株予約権とは、あらかじめ決められた価格でその会社の株式を購入できる権利です。

つまり、新株の購入権利ということですね。

新株予約権はあくまで株式を購入できる権利にすぎませんので、権利を行使しないこともできます。

つまり、投資家は利益が見込まれるタイミングで権利を行使することで、確実に利益が上げられるようになります。

また、インセンティブとして役員や従業員に新株予約権を提供する場合には、株価が上昇することで利益を得られるようになるため、役員や従業員のモチベーションアップにつながります。

さらに、M&Aの場面では新株予約権を活用して敵対的買収を防ぐこともできます。

このように、新株予約権は投資家だけでなく役員や従業員、さらには株主にも影響を与える重要な権利なのです。

参照: マネックス証券

社内向けと社外向けがある

新株予約権は、役員・従業員向けに発行されるストックオプションと、社外の会社や個人向けに発行されるものの2種類に分けられます。

ストックオプションは社員のモチベーション向上のために発行され、株価が上昇すると新株予約権を行使した時の利益が大きくなるため、社員の士気が向上するメリットがあります。

一方、社外に向けて発行される時には、主に資金調達を目的としています。

厄介なのが、資金繰りに行き詰まった企業が、現在の株価よりも安い株価で株を発行することを条件に資金調達しているケースです。

このような場合には、リスクが高いため投資はおすすめできません。

新株予約権に投資する際には、慎重に内容を精査することが大切です。

新株予約権の発行方法

新株予約権を発行するためには、原則として株主総会での特別決議が必要です。

特別決議とは、株主総会の決議の中で最も重要な決議で、出席した株主の議決件数の3分の2以上の賛成があって可決されます。

賛成が3分の2に満たない時には否決となります。

新株予約権の発行は株主の権利・利益に多大な影響を与えるため、特別決議を経てしか発行できないようになっています。

なお、新しく株式が発行されると、一株あたりの価値が下がるため、既存の株主の賛成を得ることはなかなか難しく、新株予約権の発行は否決されることが多い傾向にあります。

権利行使とは

新株予約権の「権利行使」とは、新株予約権を使って、あらかじめ定められた期間内に定められた価格で新株を購入することをいいます。

上場企業の権利行使は、証券会社に依頼するだけで可能ですし、最近ではウェブサイトでも申し込み可能です。

権利行使を行うと、その日にその株式の株主となります。

行使期間と行使価格

新株予約権には、あらかじめ行使期間が定められています。

行使期間とは、新株予約権が使える期間のことをいい、行使期間が満了すると新株予約権の効力が消滅します。

また、新株予約権にはあらかじめ行使価格が決まっており、行使期間内であれば行使価格で株式を購入することができます。

行使価格は、新株予約権発行時の市場価格に合わせて設定されるのが基本です。

これは、新株予約権の目的が、将来株価が値上がりしても低価格で株式を購入できるようにするためです。

目代康二
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新株予約権を2つの切り口から解説

新株予約権は、「社内向け」に発行されるか「社外向け」に発行されるか、「無償割当」されるか「有利発行」されるかによって分類されます。

ここからは、それぞれの特徴を解説します。

社内向けに発行された場合:ストックオプション

新株予約権は、社内向けに発行されるとストックオプションと呼ばれます。

ストックオプションは、従業員の士気向上を目的に発行されます。

というのも、株価が上昇すると権利行使時の利益が大きくなるため、従業員が業績拡大のため一生懸命活動するからです。

目代康二
ストックオプションがもらえたら、仕事へのモチベーションが上がりますよね!

社外向けに発行された場合

新株予約権が社外向けに発行される時には、主に資金調達を目的としています。

通常、社外向けに新株予約権を発行するのは、資金繰りに行き詰まった企業が資金調達をするためです。

新株予約権を発行すれば、そんな企業でも返済義務を負うことなく資金調達ができるようになります。

ただし、むやみに新株予約権を発行すると一株あたりの価値が下がったり、失望売りで株価が下落する恐れがあるため注意が必要です。

無償割当

無償割当とは、相場よりも低い価格で株式を購入できる新株予約権を「無償」で割り当てることをいいます。

要するに、新株予約権を「タダ」で配るということです。

例えば、既存の株主に無償割当を行うと、現在の株価よりも低い株価で株式を購入できるようになるため、株主は利益を得ることができます。

それでは、なぜ新株予約権を無償で配るのでしょうか?

その理由は、無償で提供することで、既存株主の損失を最小限に抑えるためです。

通常増資をすると1株当たりの利益は減少し、株式の価値は下がってしまいます。新株予約権無償割当の場合も1株当たり利益の減少は避けられませんが、既存株主は新株予約権が付与されるので権利行使すれば出資持分の低下を防ぐことができ、権利行使を希望しない株主は市場で売却して売却代金を受け取ることによって増資による損失の一部を穴埋めすることが可能です。既存株主に配慮した増資方法として注目されています。

参照:マネックス証券

有利発行

有利発行とは、特定の個人や法人に対して、新株予約権を市場価格よりも著しく低い価格で発行することをいいます。

要するに、新株予約権を「有料」で販売するということです。

前に説明した無償割当は「無償」で新株予約権を配り、有利発行は「有料」で新株予約権を配るのです。

目代康二
タダで新株予約権がもらえたら、なんか得した気分になりますよね!

新株予約権の買取請求はいつ行われる?

新株予約権は、一度発行されたらそれで終わりというわけではありません。

買取請求によって、企業に新株予約権を買い取ってもらうことも可能です。

ここからは、買取請求の仕組みと買取請求が行われるケースを解説します。

買取請求とは

買取請求とは、新株予約権の発行企業があらかじめ定められた行為をした時に、新株予約権の買取を投資家が請求できることをいいます。

買取請求の目的は、新株予約権の割当を受けた者を不利益から守ることです。

以下の4つのケースに該当すると、投資家にとって不利益となるため、買取請求ができるようになっています。

買取請求①株式分割・交換・移転が行われた時

株式分割とは、すでに発行されている株式を分割することをいいます。

株式分割が行われると、株価が下落します。

例えば、発行済み株式が2倍に増えると、株価は半分になります。

一方、株式交換とは、発行済み株式を別の企業の株式とまるまる交換することをいいます。

株式交換は、ある企業を完全子会社にする時に、子会社の株主の株式を親会社の株式と交換する場合などに行われます。

参考:「株式交換とはどんな仕組み?株式交換の基本を解説」

また、株式移転とは、発行済み株式を新しく設立した会社に取得させることをいいます。

よくあるのが、持ち株会社を設立する時です。

以上のケースでは、新株予約権の持ち主は企業へ新株予約権の買い取りを請求することができます。

買取請求②会社が合併する時

会社の合併方法には、吸収合併や2つの会社が消滅して新しい会社できる新設合併があります。

いずれのケースも、会社が消滅すると元々の株式の価値がなくなるため、買い取り請求が可能です。

買取請求③譲渡制限株式になった時

譲渡制限株式とは、取締役会や株主総会の許可がないと譲渡できない株式です。

譲渡制限株式になると、株式を売却することが難しくなるため、買取請求ができるようになります。

買取請求④全部取得条項付種類株式とされた時

全部取得条項付種類株式とは、株主総会の特別決議によって、発行済み株式の全てを企業がいつでも取得できる株式です。

投資家としては、企業の都合で株式を手放さなければならないため、買取請求が可能となります。

目代康二
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新株予約権のメリット

ここからは、新株予約権のメリットを投資家サイドと会社サイドに分けて解説します。

新株予約権に対する理解を深めましょう!

投資家のメリット①売却益が得られる

新株予約権を使って安く株式を購入し、それを高値で売れば利益を得ることができます。

投資家としては、行使価格よりも株価が上がったタイミングで権利行使をすれば、確実に利益をあげられます。

投資家のメリット②損失のリスクが少ない

新株予約権は、投資家自身で権利行使のタイミングを決められます。

つまり、確実に利益をあげられるタイミングで権利行使ができますので、損失のリスクを抑えて投資ができます。

会社のメリット①資金調達の手段となる

新株予約権を発行すれば、会社側は借り入れをすることなく資金調達ができます。

また、新株予約権で資金調達すると、銀行借り入れや社債のように金利を支払う必要がないのも、大きなメリットです。

会社のメリット②従業員のインセンティブになる

新株予約権を従業員向けに提供すれば、従業員のモチベーションアップにつながります。

頑張って仕事をすれば業績が良くなり、株価が上がって従業員の財布が潤うことにつながります。

会社のメリット③買収の防衛策になる

上場企業が気をつけなければならないのが、敵対する企業からの買収です。

上場企業の株式は誰でも購入することができるため、仮に敵対企業が50%以上の株式を取得すると、その企業は買収されてしまいます。

買収を防ぐためには、その企業の株式を長く持ち続けてくれる安定株主を増やすことが大切です。

そういう意味で、新株予約権を発行することで、安定株主が増えるメリットがあります。

新株予約権のデメリット

続けて、新株予約権のデメリットを解説します。

投資家・会社のデメリット:株式の希薄化が起きる

新株予約権のデメリットは、新株予約権が行使されると、株式が稀薄化することです。

株式の価値は、

純利益÷発行済み株式数

で計算されますが、発行済み株式数が増えると、1株あたりの価値が低下します。

基本的には株式の希薄化は売り材料となり、株価は下落します。

目代康二
新株予約権は一見良さそうな制度ですが、希薄化が起きるデメリットがありますので、注意が必要です。

 

新株予約権のまとめ

新株予約権は、私たち投資家としては非常にありがたいものですが、株価が下落するということを考慮に入れると、なかなか使いどころが難しいです。

また、会社や投資家などの利害が必ずしも一致しないため、一筋縄ではいきません。

新株予約権にチャレンジするときには、慎重に行いましょう。

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