確定拠出年金

確定拠出年金の6つのデメリットを解説!企業型・個人型に入る意味は?

最近、確定拠出年金を導入する企業が増えてきています。

あなたの会社も、もしかしたらすでに導入しているかもしれません。

ところで、「確定拠出年金」という言葉を聞いたことがあっても、その具体的な中身まで理解している人はほとんどいないと思います。

確定拠出年金はサラリーマンの「老後の年金代わり」となる非常に重要な制度ですので、基本をしっかりと理解することが大切です。

世間では確定拠出年金の「メリット」ばかり強調されていますが、果たして「デメリット」はないのでしょうか?

答えをいうと、デメリットは存在します。

しかも、もしかしたらメリットよりもデメリットの方が大きいと感じる人も多いかもしれません。

そこでこの記事では、確定拠出年金のデメリットに焦点を当てて解説していきます。

目代康二
確定拠出年金は、老後の生活を左右する死活問題ですので、しっかりと基本を理解することが大切です。

(最終更新日:2019年1月31日)

確定拠出年金で損しないために知っておきたいデメリット

確定拠出年金といえば、国民年金などの公的年金とは別に、個人が個別に積み立てる私的年金です。

確定拠出年金の毎月の積立額は全額所得控除の対象となり、さらに運用益も非課税となるため、税制上かなり優遇された制度です。

一見するとメリットしかないように思える確定拠出年金ですが、実際にはどのようなデメリットがあるのでしょうか?

年金額が減る可能性がある

確定拠出年金の特徴として、将来受け取れる年金額は、運用状況によって変わることが挙げられます。

運用がうまくいけば受け取れる年金額は増えますし、反対に運用が失敗すれば、年金額は減ってしまいます。

運用状況によって将来受け取れる年金額が減る可能性があるのが、確定拠出年金の大きなデメリットです。

そもそも年金は、老後の生活資金を確保することが目的です。

しかし、将来受け取る年金が減ってしまうと、老後に露頭に迷ってしまうことにつながりかねません。

年金の受け取り額が減る恐れがあるというのは、非常に恐ろしいことなのです。

確定拠出年金はあなたの老後の人生を左右する重要なことですので、しっかりと基本を身につけて運用することが大切です。

目代康二
特に勤務先で確定拠出年金に加入している人は、退職金がもらえるかもらえないかの死活問題ですので、真剣に取り組むことが大切です。

各種手数料がかかる

意外と見落としがちですが、確定拠出年金には色々と手数料がかかってしまうデメリットがあります。

確定拠出年金でかかる手数料には、以下のものがあります。

・口座開設手数料
・口座管理手数料
・給付事務手数料
・投資信託の信託報酬

新しく確定拠出年金を始める際には講座開設手数料が2,777円、毎月の口座管理手数料がおよそ167円かかります。

さらに、将来年金を受け取る際、給付一回につき432円の給付事務手数料がかかります。

その他、投資信託の信託報酬も忘れてはいけません。

このように見ると、確定拠出年金は思った以上に手数料がかかることがお分かりいただけたと思います。

目代康二
手数料が取られることは意外と見落としがちなので、頭の片隅に入れておきましょう。

60歳までは受け取ることができない

確定拠出年金は、60歳になるまで受け取ることができません。

その理由としては、確定拠出年金は公的な年金制度として位置付けられているため、老後の貯蓄を促す意味で、60歳になる前に切り崩すことができないようにしているためです。

なお、60歳を迎えるまでに高度障害になってしまったり、死亡してしまった場合には、その時点で年金を受け取ることができます。

また、60歳になってもすぐに年金の受け取りを開始する必要はなく、70歳までに受け取りを開始すれば問題ありません。

受取開始年齢は、確定拠出年金に加入している期間によって変わります。

10年以上加入している場合には60歳から受け取ることができますが、それ以下の場合には、受取開始年齢はもっと遅くなります。

参照:楽天証券

一度加入すると解約できない

意外と見落としがちですが、確定拠出年金は一度加入すると解約することができません。

今まで積み立ててきたお金を引き出したい時には、受取開始年齢となる60歳になるまで待たなければなりません。

さらに注意したいのが、確定拠出年金の積み立てをストップしても、毎月の口座管理手数料はずっと取られ続けることです。

途中で年金の積み立てをやめてしまうと、口座管理手数料だけをずっと払い続けなければならないのです。

このように、確定拠出年金は一度加入したら最後、60歳になるまで強制的に続けなければならない制度なのです。

目代康二
確定拠出年金は出口戦略が一本しかないので、一度加入したら身動きが取れません

転職・退職時には6ヶ月以内に手続きが必要

勤務先で確定拠出年金に加入している場合には、転職時や退職時に注意する必要があります。

仮に退職後6ヶ月以内に所定の手続きを行わないと、あなたが積み立てていた商品は強制的に売却・現金化され、国民年金基金連合会に移されます(自動移管)。

自動移管されると、そのタイミングで4,269円の移管手数料が取られるのと、移管後4ヶ月目以降から、毎月の管理手数料51円が年金資産から差し引かれます。

自動移管された状態を放置していると、60歳を迎えても年金資産を引き出すことができません。

この場合、確定拠出年金を再開して、資産を移す手続きをする必要があります。

退職時や転職時には、確定拠出年金の手続き方法をよく確認しましょう。

目代康二
勤務先で確定拠出年金に加入している人は、手続きを放置しているとかなり面倒なことになりますので、忘れないようにしましょう。

本来は特別法人税がかかるが凍結されている

多くの人がご存知ではないと思いますが、確定拠出年金には本来、特別法人税が課税されることになっています。

特別法人税とは、企業型の確定拠出年金や個人型確定拠出年金(iDeCo)の積立金全体に対して年率1.173%を課税する税金です。

しかし、この特別法人税については、1999年以降ずっと課税が凍結されてきており、直近では2020年3月31日まで課税が凍結されています。

積立金が不足しているという理由で今まで課税がされてきませんでしたが、それがいつ再開するかは誰にも分かりません。

いくら積立額が所得控除されたり運用益が非課税になっても、特別法人税1.173%が課税されたら元も子もありません。

「確定拠出年金には特別法人税が課税されることになっている」ということは、肝に命じておきましょう。

目代康二
特別法人税について触れられることはほとんどありませんが、ぜひ知識として知っておきましょう。

参考:企業年金連合会

確定拠出年金のデメリットのまとめ

ここで一旦、確定拠出年金のデメリットをまとめてみましょう。

・将来受け取れる年金が減る可能性がある

・加入時や運用中、受取時に各種手数料がかかる

・60歳にならないと年金を受け取ることができない

・一度加入したら解約ができない

・転職時や退職時には6ヶ月以内に所定の手続きが必要

・特別法人税がかかるが凍結されている

 

いかがでしたでしょうか?

確定拠出年金にはこれだけのデメリットがあるのです。

メリットばかりに気を取られていると老後の人生を棒に振るうことになりますので、デメリットを理解した上で確定拠出年金に取り組みましょう。

目代康二
非課税制度は確定拠出年金だけではありません。
つみたてNISAという素晴らしい制度も始まりましたので、ぜひ視野を広げて検討してみてください。

参考:「つみたてNISA(積立NISA)のメリットとは?基本をやさしく解説」

確定拠出年金の基本を改めて確認しよう

ここまで確定拠出年金のデメリットに焦点を当てて解説してきました。

ここまで読むと、確定拠出年金にはデメリットしかないように思えますが、そんなことは全くありません。

ここからは、確定拠出年金の基本を改めて確認しましょう。

確定拠出年金とは

確定拠出年金とは、自分で年金を用意する私的年金に分類される制度です。

毎月掛け金を支払って金融商品を運用し、老後に元本と利益を年金として受け取ります。

確定拠出年金の一番の特徴が、国民年金などの公的年金とは異なり、年金の運用は「自分」で行い、その運用結果は「自己責任」となっている点です。

確定拠出年金では、自分専用の口座を開設し、毎月何円積み立てるか、どの商品で運用していくか、全て自分で決めます。

運用成績次第で、将来受け取る年金額が増えたり減ったりしますので、自分の老後のために、しっかりと「運用」することが大切です。

目代康二
確定拠出年金は「自己責任」が原則の制度なんですね!

個人型と企業型の2種類に分けられる

確定拠出年金は、個人型(iDeCo)と企業型の2種類に分けられます。

個人型は自分で口座を開設する必要がありますが、企業型は勤務先が導入していれば自動的に加入することになります。

個人型確定拠出年金(iDeCo)

iDeCoは、個人が任意で加入し、毎月の積立額から運用商品までを全て自分で決めます。

金融機関選びも自分で行いますので、なるべく毎月の手数料が安く、魅力的な商品を扱っている金融機関を選ぶことが大切です。

参考:「個人型確定拠出年金のおすすめの運用方法や活用方法とは」

企業型確定拠出年金

企業型の確定拠出年金は、勤務先が導入していると自動的に加入することになります。

企業型の場合には、勤務先と従業員の双方がお互いに掛け金を出し合いますので、iDeCoと比べて自己負担が少なくて済みます。

ただし、確定拠出年金を導入しているということは、退職金の運用を従業員に丸投げしていることになりますので、自分の老後の生活のため、真剣に運用することが大切です。

なお、企業型に加入するためには、勤務先が確定拠出年金を導入している必要があります。

確定「給付」年金とは

確定拠出年金を理解する上では、以前主流だった確定給付年金について知っておく必要があります。

確定給付年金とは、文字通り「将来の年金額が保証された」年金制度です。
確定拠出年金のように運用成績によって将来の年金額が変わることはなく、年金額があらかじめ決まっています。

企業は、将来支払う年金を確実に用意する必要があり、万が一原資が不足していても、その不足分を穴埋めする責任があります。

この低金利の中、企業にとって確定給付年金は大きな足かせであり、多くの企業が、年金の赤字を補填する必要のない確定拠出年金に切り替えているのが現状です。

目代康二
早い話が、「従業員の老後の生活は保証しません」と企業が言っているようなものですね。

確定拠出年金のメリットは税金面の優遇!

とはいっても、確定拠出年金には税制面で大きなメリットがあります。

具体的に見ていきましょう。

掛け金が全額所得控除の対象となる

確定拠出年金では、その掛け金が全額所得控除の対象となり、所得税を減らすことができます。

つまり、毎月の掛け金が多ければ多いほど、また収入が高ければ高いほど、節税効果は大きくなります。

確定拠出年金をうまく活用すれば、税金を大幅に抑えることができます。

なお、賭け金の控除は生命保険料控除と似ているように見えますが、生命保険料控除では、支払った保険料の「一部」しか所得控除の対象となりません。

運用益が非課税になる

確定拠出年金では、その運用益は非課税となり、利益の全てを再投資に回すことができます。

これが普通の投資だと、利益が出るたびにおよそ20%の税金が課せられることになります。

得られた利息や配当金などを非課税で再投資に回すことで、複利の効果を最大限に発揮することができます。

確定拠出年金のデメリットのまとめ

ここまで、確定拠出年金のデメリットを中心に解説してきました。

これからの時代、今まで以上に企業が確定拠出年金を導入していくことが予想されます。

しかし、残念ながら確定拠出年金は必ずしもいい制度ではなく、むしろ従業員の資産を目減りさせることもあります。

一番大切なことは、こういった制度のメリット・デメリットをしっかりと理解し、メリットの方が上回ると思ったら運用を始めることです。

特に確定拠出年金は、老後の人生を左右する非常に重要な制度ですので、「これでもか」というぐらい調べてから始めるようにしましょう。

お金の正しい知識を身につけ、健全な資産運用を行いましょう。

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