実際に投資を進めたり、投資の勉強を進めていると、「譲渡性預金(CD)」という言葉を見かけることがあります。
「譲渡性預金」と言われても、いまいちピンとこない人が大半ではないでしょうか?
そこで、この記事では譲渡性預金の基本事項について説明したいと思います。
【こちらの記事は、過去に書かれた記事を2018年4月16日に加筆修正したものです。】
この記事の目次
譲渡性預金(CD)の基礎知識
まずは、譲渡性預金の最低限の基礎知識を押さえてみましょう!
CDは何の略?
CDという単語は「Negotiable Certificate of Deposit」の頭文字を取ったもので、日本語に直すと「譲渡性預金」と呼ばれます。
なお、CDという単語は、他の投資用語とかぶることがあるため、それと区別するため「NCD」と呼ばれることもあります。
譲渡性預金は定期預金の一種
譲渡性預金と聞くと、「難しそう。。」と感じる人も多いと思いますが、実は譲渡性預金は「定期預金」の一種です。
ですので、譲渡性預金にはあらかじめ満期日や利息が定められていて、途中で解約することも基本的にはできません。
ここまでは普通の定期預金と同じ内容ですが、譲渡性預金は定期預金と違って預金保険制度(※)の対象外です。
譲渡性預金を利用するなら、預金金額は1,000万円以下にしましょう。
(※)預金保険制度とは、金融機関が破綻した時に、預金者の資産を保護するための制度です。1つの金融機関ごとに、元本1,000万円までとその利息が保護されるようになっています。
例えば、2,000万円の資金がある時には、2つの金融機関に1,000万円ずつ預金しておけば、金融機関が破綻しても、全額保護されます。
他人に譲渡できる定期預金
譲渡性預金の一番の特徴は、名前の通り「“譲渡できる”預金」である点です。
通常の定期預金ですと満期前に口座を解約することはできませんが、譲渡性預金は口座を丸ごと第三者に譲ることができます。
譲渡性預金のこのユニークな仕組みは、企業が資金調達する際に実際に利用されています。
次の章で、譲渡性預金の利用方法について解説していきます。
譲渡性預金の利用方法とは
短期間の資金調達手段として利用できる
通常の定期預金ですと、例えば預入期間中に急きょ資金が必要になったときには、定期預金を一旦解約する必要があります。
すると、定期預金の金利はペナルティーとして下がってしまうのが普通です。せっかく高い金利で預けていたのに、これでは無駄になってしまいます。
一方、譲渡性預金の場合には、譲渡性預金を解約することなく第三者にそのまま譲渡し、それと引き換えに資金を受け取ることができます。
「必要な時にいつでも換金できる定期預金」が、譲渡性預金なのです。
譲渡性預金を譲渡する際には、市場の状況によっては、預金額より高い値段で譲渡できたり、低い値段で譲渡できたりします。
そう言う意味では、預金と言いつつも、「投資商品」としての側面も持っています。
最低5000万円ほどの資金が必要
譲渡性預金を利用するためには、最低5000万円ほどの資金を預け入れる必要があります。
この金額から分かる通り、譲渡性預金は個人が利用するものではなく、金融機関や大企業、機関投資家が利用する商品です。
譲渡性預金のまとめ
「譲渡性預金」という言葉は、投資信託などを調べていると、その運用先として頻繁に出てきます。
しかし、実際にその単語の意味まで理解している人は少ないと思い、この記事では取り上げてみました。
個人が直接譲渡性預金を利用することはないと思いますが、あくまで投資の知識として知っておいても損はないと思います。