今回は、債券投資を始めるにあたって最低限必要な知識についてまとめました!
あなたが債券投資を始める際の参考にしていただければ嬉しいです。
この記事の目次
債券投資を始めるにあたって
債券投資を始める前に、債券の基本的な内容について押さえましょう。
債券投資とは
まず初めに債券というのは、国や企業などが、投資家かからまとまった資金を調達するために発行する証券のことを指します。
債券は、将来の一定時期に額面金額を支払い、さらに一定期間ごとに金利を支払うことを発行体が保証する証券です。
債券は基本的には解約を申し出ることはできませんが、債券市場においては随時売買が可能です。ただし、市場での売却となると、必ずしも元本と同じ金額で売却できるわけではありませんから、市場の状況によっては、元本割れする可能性もあります。
債券は、満期まで保有していれば額面で償還されるため、新規発行時から保有していれば、発行体が債務不履行にならない限りは、損をすることはありません。
債券投資と定期預金の違い
債券投資と定期預金というのは、性質的にはかなり似ています。
しかし、細かく見ていくと色々な相違点がある商品です。
解約の場合に違いがある
債券では、原則として投資家の都合で、満期前に中途換金することはできません。債券の発行体である国や企業は、満期までの保有前提で証券を発行しているわけですから、当然といえます。
しかし、債券は市場で途中で売却することができます。この場合、市場で時価で売却することになりますので、運良く利益が出たり、逆に損失が出る可能性もあります。
一方の定期預金ですが、こちらも原則的に途中で解約することはできません。
しかし、ペナルティー金利が適用されてもいいなら、途中で解約も可能です。この場合、当初想定した利息は得られませんが、元本割れすることはありません。
以上をまとめると、定期預金の方が、中途解約の場合は元本割れの心配がありませんから、有利であるといえます。
元本保証がある
債券は発行体が、定期預金は金融機関が元本を保証してくれます。
よって、元本保証の面では、両者とも互角といえます。
発行体や金融機関が破綻した場合
債券も定期預金も元本が保証されていますが、発行体や金融機関が破綻した場合には、違いが生まれます。
債券の発行体が破綻(デフォルト)した場合は、発行体の資産の範囲で支払いが行われます。
基本的に倒産する会社は資産よりも借金の方が多いですから、返還される金額は投資額よりも下回ることが一般的です。
定期預金している金融機関が破綻した場合は、預金保険制度(ペイオフ)によって、預金者1人当たり元金1,000万円までとその利息が保証されます。
そして、1,000万円とその利息を超える部分については、金融機関の支払い能力に応じて返済が行われます。
つまり、破綻する場合を考えてみると、定期預金の方がより手厚い保護が受けられるといえます。
債券投資のメリット
債券投資をするメリットには、果たしてどういうものがあるのでしょうか??
預金と比較して高い金利
債券投資では、定期預金と比べて高い金利を狙えるメリットがあります。
ゼロ金利政策で金利が低下している今、少しでも高い金利を目指すのが吉といえるでしょう。
ペイオフ対策として最適
債券投資は、ペイオフの上限である1,000万円を超える部分を高格付けの社債や日本国債で運用することで、ペイオフ対策とすることができます。
ただし、これは資産家がやることですので、筆者のような貧乏サラリーマンではできません。
キャピタルゲインを狙える
債券投資の魅力としては、債券市場で債券が売却できることでしょう。
例えば、満期まで保有している債券の価格が市場で上がった場合には、途中で売却して売却益を得てもいいですし、もしも価格が下がった場合には、満期まで保有して額面金額を受け取ればいいのです。
債券投資のリスク
ここからは、債券の抱えるリスクについて解説したいと思います。
返済が滞るリスク(信用リスク)
信用リスクとは、債券を発行している国や企業が、破綻して債務の返済ができなくなるリスクです。
なお、こういった信用リスクの高さは、格付け会社が格付けを行なっていますので、参考にするといいでしょう。格付けが高い債券ほど信用リスクは下がりますが、それだけ債券の利回りが低下します。逆に格付けが低く信用リスクの高い債券ほど、債券の利回りは上がります。
一般的には、格付けがトリプルB以上の債券が投資適格債と呼ばれ、投資が勧められます。
ただし、投資信託では、ハイリスク・ハイリターンである投資不適格債に投資するものもあります。
満期前の売却で元本割れすリスク(価格変動リスク)
債券は、中途換金はできませんが、債券市場で売却することができます。その際に、債券の価格が元本割れしたりするリスクを価格変動リスクといいます。
当然、債券は満期まで保有すれば額面で償還されますので、損失が出ることはありません。しかし、緊急に資金が必要になった場合などは、止むを得ず途中で換金することになります。
それを防ぐために、債券投資は満期まで必要にならないような余剰資金で投資するのが重要でしょう。
基本的に、債券投資では満期保有を前提に考えておくのがいいでしょう。
為替の影響で受取額が変わる(為替変動リスク)
外貨建ての債券に投資する場合、為替レートの変動によるリスクがあります。
為替が円高の際に満期を迎えると、円での受取額が減少し、最終的には損失となってしまうケースもあります。
外貨に投資する際、為替変動リスクは切っても切り離せなものでしょう。
その国の政治経済情勢の影響を受ける(カントリーリスク)
外国債券の場合、その発行体の属する国や地域の経済や政治情勢によって、債券に影響が出る可能性もあります。
例えば、投資先の国で戦争やテロ、災害が起きた場合には、債券の返済が滞ることもあります。
しっかりと投資先について調べることが大切です。
まとめ
ここまで、債券投資の基本についてまとめてきました。
メリットとデメリットを押さえ、安全に投資を進めてください!