よく「優先株」という言葉を耳にすることがあります。
「優先」ということだけあって、普通株と比べて優先されることがあるのです。
今回は、そんな優先株について見ていきたいと思います。
この記事の目次
優先株の基礎知識
まずは基本的な内容を見ていきましょう。
配当金や会社解散時の財産が優先される
優先株とは株式の一種です。
優先株の特徴として、普通の株式(普通株)と比べて、配当金を優先的に受け取ったり、会社が解散したときに残った財産を優先的に受け取れたりと、
投資家に対して優先的な権利が与えられてることがあります。
ですので、投資家にとっては、配当金が多くもらえたり、万が一会社が倒産したときに弁済される順位が高かったりと、有利な株式と言えます。
経営に参加する権利が制限されることが多い
優先株は投資家にとって有利な条件が付いている一方、制限がつけられることが一般的です。
具体的には、株主総会における議決権がない(会社の経営に参加することができない)ことが多いです。
優先株の種類
優先株は、主に2種類に分類されます。
配当金が優先株分だけしかもらえないか
優先株には、配当金が支払われる際に、優先株分に加えて普通株の分の配当金ももらえるものがあります。これを「参加型」と言います。
一方、優先株の配当金しか受け取れないものを「非参加型」と言います。
支払われなかった配当金が累積されるか
優先株には、ある年度の配当金が優先株に定められている金額に達しない場合、不足する分を翌年度以降に繰り越せるものがあります。
不足分については、翌年度以降支払われます。これを「累積型」と言います。
一方、不足分を翌年度以降に繰り越さないものを「非累積型」と言います。
企業にとっての優先株
優先株は、発行する企業にとってもメリットがあります。
増資の際に資金調達しやすい
投資家にとって有利な優先株を発行することで、企業は普通株発行するときよりも資金が調達しやすくなります。
さらに、銀行のように自己資本比率が定められている会社にとっては、優先株を発行することでその比率を上げられる利点もあります。
会社の経営権への影響を抑えられる
企業にとっては、経営に参加する権利のない優先株を発行することで、経営に干渉されたり、買収されたりするリスクを減らしながら資金調達ができます。
優先株のまとめ
以上、優先株について見てきました。
優先株は、普通株にひとひねり加えた株式で、とても興味深いものだと思います。
ただ、個人で購入できる優先株は「伊藤園」ぐらいしかないようですので、投資したいと考えている人にとっては、ちょっと寂しいですね。